「廓清」という字を知っていますか

1 悪いものをすっかり取り除くこと。
「宗教―の一新時代はそこから開けて来た」〈藤村・夜明け前〉
2 (「郭清」と書く)癌がんの手術で、転移が起こる可能性が高い領域に含まれるリンパ節を、周囲の組織ごとひとまとめにして切除すること。
「リンパ節郭清」

コトバンク

山崎元、癌になってみて考えた。「どうでもいいこと」と「持ち時間」

という記事があって、それを読んでいたら「廓清(かくせい)」という字があって調べたのが上記の引用です。記事での使用を考えると「2」のほうで「リンパ節を、周囲の組織ごとひとまとめにして切除」することとして使われています。

手術を受けたのは2022年10月27日だ。手術は、食道の大半と胃の上部の一部を切除して、胃を持ち上げて食道の位置につなぎ、胃部から喉に至るリンパ節を廓清する大がかりなものだが、手術ロボット「ダビンチ」や胸腔鏡を使う手術で、想像よりも身体へのダメージは小さい。手術の翌日には体に確か9本ほど管がつながっていたが、立ち上がって100mほど歩く事が出来た。退院は術後13日目だった。

これを読んで、以前、Newsweekにも食道癌に関する告発めいた記事が載っていたと思って調べたら、すぐに見つかりました。

マクドナルド化する医療「それが、あなたに最適な治療なのか?」

東京大学医学部附属病院(東大病院)に入院し、癌手術の第一人者で病院長が主治医になったが、曖昧な治療方針に違和感を拭えず、セカンドオピニオンを求めて転院。しかし転院先でも土壇場で手術をせず放射線による治療を選択し、今では以前とほぼ同じ日常を取り戻した。

片方は食道をほぼ全摘して胃をのどまで引っ張り上げ、周辺のリンパを「廓清」しても、13日で退院できている。もう片方は手術も中性子・重粒子治療も断って放射線治療を選択しています。

どちらも食道癌のステージ3としての選択で、患者自身が選択するならば難しい選択となります。

個別のケースは不明ですが、ステージ2~3の場合だと、「第一の選択肢として、術前に化学療法を行い、その後で外科的な切除手術を行うことが推奨」されているようで、「一般に、外科的手術の方が、手術を行わない化学放射線療法よりも治療の成績がよいとする報告が多く、現時点では、可能であれば、外科手術が第一の選択肢」となっているようです。

放射線治療で再発すると放射線は使えなくなるので、その時点で手術となるわけです。一般的な選択肢としては手術によって、リンパなどの廓清をしておく方が安心のような気がします。早い段階で見つかった場合の5年生存率は75%以上のようですが、ステージが進んでしまっていると20%程度に下がります。食道癌全体での5年生存率は37%で胃癌や大腸癌に比べると苦戦しているようなので早期に見つけることが最良の選択になります。

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