「赤色水素」という水素

水素というと「緑」と「青」があります。

緑色水素」は再生エネルギーによって作られた水素になります。「青色水素」は、化石燃料を燃やしたエネルギーで作る水素になります。

そこで出てくるのが「赤色水素」になります。これで信号の3原色がそろいます。

ようは、原子力によって生み出される水素のことで、これなら資源のない日本においては無尽蔵に安く水素を作り出すことができます。

原子力発電と水素というと、3.11の時に福島第1原子力発電所が爆発したのが水素だったことを思い出してしまいますが、今度のはそうではなく、原子力発電所が出す高熱を使って水を分化して水素と酸素を発生するという仕組みです。

この原子炉の名前を「新型転換炉ATR(Advanced Thermal Reactor)と呼びます。ChatGPTが親切にも要約を書き出してくれていますが、「鉄鋼生産に使用される高性能な製鉄炉」とのことですので、このAI要約は採用しません。

2008年の「電気事業事典」では「重水価格が極めて高いため資本費が増加することおよび重水の漏えい、トリチウム障害等の難点もある。なお、電源開発(株)によりATR実証炉(60万6,000kW)の建設計画が進められていたが、1995年に経済性を理由に中止された」とされていますが、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構のホームページでは「高温工学試験研究炉(HTTR)の概要」として記事が掲載されています。

「平成22年1月~3月にかけて、50日間の高温連続運転を完遂しました。これらの運転により、HTTRの燃料は海外の高温ガス炉燃料に比べて、FP閉じ込め性能が格段に高く、高温ガス炉燃料として世界最高水準の品質を有していることが示されています」と書かれていました。

FP閉じ込め性能」の意味が分からないので調べてみると、「FP」とは「核分裂生成物」のことで、核種から放射能の崩壊によってできた核種のことだそうです。厳密にはちょっと違うようですが、ようするに「高レベル放射性廃棄物」の原因物資あたりのことと思います。

YouTubeの動画ではジェット旅客機で失敗し、H3ロケットを延期している三菱重工業が成功させているようです。

ATRは安全性はほぼ完全に解決しているものの核廃棄物は排出されますので、そこだけがネックになりますが、資源のない日本にとっては唯一のエネルギー源と言えそうです。

フランスは原子力で作った水素をスペインに売るのだそうですが、クリーンな水素ではないということで「赤色水素」を再生可能とみなすかで悶着が起きているようですが気候変動を考えれば、当面は原子力依存で行くしかないのが現実的判断じゃないでしょうか。

気候変動で地球を壊すか、核廃棄物の処理で困惑を先々に送るかの択一でしかないと思います。その間に商用核融合炉ができれば、万事めでたしになることでしょう。

核兵器を使って破滅を起こせば、人類の文明セットされて、生き残った人たちから再びやり直すこともありそうな機運も高まってはいますが、愚かな兵器を作り、それを愚かな人にゆだねたこととして諦めるしかないでしょう。

Follow me!