禁錮刑と懲役刑の一本化が進んでいるらしい

「破廉恥」な罪には「懲役」、過失や政治犯などには「禁固」が宣告されるということで、刑法はいままでやってきた。

法務省では「懲役」と「禁固」を一本化するための議論をしているようです。名前も「拘禁刑」とするようです。そもそもの違いは「懲役」とは読んで字のごとくに「役」をもって「懲らしめる」ことが目的です。「禁固」は、閉じ込めておくことが主目的です。

「禁固」になる犯罪とは、運転過失致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)や業務上過失致死傷罪(刑法211条前段),重過失致死傷罪(同条後段)がほとんどで、それ以外では概ね「懲役」になる。

新しく命名する「拘禁刑」では「刑事施設に拘置して,作業を行わせること、その他の矯正に必要な処遇を行うものとする」とあり、「その他の矯正に必要な処遇」の実態は「改善指導」としているようです。

ちなみに、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国で「懲役」と「禁固」があるのは韓国ぐらいのようです。

さて、「矯正に必要な処遇」と言うは易く、現状の体制で実現が可能なのか? どうやって効果測定をするのか? 職員を入れ替えるのか?

この改正とは別の話として、PFI方式による刑務所があります。「PFI=プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法だそうで、これが刑務所の運営にとって民間側にどれだけのメリットがあるのかは不明です。

国が運営する刑務所よりも、民間が運営するほうが利益も出て職員の給料もいいならば、すべてPFIにすればよさそうです。まさか、刑務所職員だけ待遇をよくするわけにもいかないでしょうし。

自衛官の応募が募集を下回っていると何かで読みました。刑務官はどうなのでしょうか?

平成18年あたりを境に、懲役受刑者はかなり減少しているようです。この原因を調べてみました。理由ははっきりしないものの、若年層の人口減少も作用しているという報告もあります。しかし、世界の大都市においても犯罪が減少しているようで、ニューヨークなどでは麻薬の取り締まりを強化したことが功を奏しているようです。

人類社会の成熟によって「内なる悪魔」を「より良き天使」がコントロールできるようになったという海外の学者がいるようですが、犯罪においてそれが事実であったとしても戦争や内乱が絶えないことを見る限り、「より良き天使」よりも「内なる悪魔」に魅入られた人が権力者になっていることが多そうです。

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