女性と自己免疫疾患

ナショナルジオグラフィックによると、10人に1人が自己免疫疾患にかかるとのこと。そのうちの8割は女性だそうだ。その理由は「XX染色体」にあるとのこと。

Y染色体にある遺伝子は50個ほどで、それに対してX染色体には1000個ほどの遺伝子がある。そのため、雌雄間の遺伝子の数を調整するために不活性化というメカニズムが生まれたと考えられている。

女性の体の細胞では、「Xist(イグジスト)」と呼ばれる分子の働きで、2つあるX染色体(母親由来と父親由来)の1つが不活性化している。この「Xist」が自己免疫疾患を引き起こしているとスタンフォード大学が発表した。

不活性化されたX染色体の特定の遺伝子が再び活性化すると、高齢のマウスに、皮膚や関節などさまざまな組織に炎症が現れる全身性エリテマトーデスのような症状を引き起こすことがある。

全身性エリテマトーデス
免疫系の異常により、本来身体を守る働きをする免疫系が自分自身を攻撃してしまい、さまざまな症状を呈すこと。

女性の方が自己免疫疾患のリスクが高いのは、自分の子どもの命を守るための進化的な適応の可能性がある。女性は男性よりも抗体を多くつくる傾向にあり、それが母乳を通して女性と赤ん坊の両方を守る。

X染色体上にある遺伝子の活動が男女で同等になるように、女性のすべての細胞内では、2つのX染色体のうち1つがランダムに不活性化する。ところが、不活性化したはずの15~23%のX染色体が実は活性化を保っている。

そこで、オスのマウスにXistを作るような操作をしてみても、それだけでは自己免疫疾患は起きなかった。となると、女性に特有なトリガーになる何らかの影響があることが推定される。なぜなら、多くの女性においては、特段、自己免疫疾患が発症しているわけでもないからだ。

Xistによって破壊された細胞がトリガーになる可能性も指摘されているが詳しい話は未解明。