「枕草子」が描いた世界《其の04》
清少納言が藤原定子の女房を始めたのは993(正暦4)年のこと。いまから1030年ほど前のこと。14歳で中宮になったとき、一条天皇は11歳だったから、それぞれが17歳と14歳のころだった。清少納言は定子より11歳年長と言わ […]
「枕草子」が描いた世界《其の17》
紫式部は、清少納言の「枕草子」を熟読していた節が、散見される。 屋の上は、ただおしなべて白きに、あやしきしづの屋も雪にみな面隠しして、有明の月のくまなきに、いみじうをかし。 白銀などを葺きたるやうなるに、水晶の滝などいは […]
「枕草子」が描いた世界《其の08》
「清少納言集」というのがあって、自らが書いたものではなく鎌倉中期に成立したとされているようです。和歌が31首あるものと42首あるものがあって、いずれも宮内庁が所有している。 和歌も清少納言が詠んだかは不明で、確かに、いく […]
「枕草子」が描いた世界《其の24》
長徳2(996)年2月に清少納言は藤原斉信(ただのぶ)の来訪を受けた。斉信の祖父は藤原師輔で、伯父の子らが藤原道隆や道長となる。 斉信は、当初は道隆の中関白家にした親しく出入りしていたとされるが、道隆が薨去すると道長に接 […]
「枕草子」が描いた世界《其の19》
995年に関白・藤原道隆は死去する。16歳の一条天皇は「藤原道兼」を次の関白に選んだ。枕草子を読む限り、道隆の子である伊周は、定子の兄ということもあって、一条天皇の兄のように接してきたし、漢文の指導もしてきた。 しかし、 […]
「枕草子」が描いた世界《其の13》
枕草子の主人公と言えば「藤原定子」。それを支えているのが一条天皇になる。主要なわき役としては定子の兄の伊周。枕草子では貴公子として描かれているが、大鏡では短慮でどうしようもない若者くらいの書かれ方でしかない。書かれている […]
「枕草子」が描いた世界《其の20》
「其の19」で「宮中を出て400メートル南に行った「朝所に移る」としたのは、定子が喪中だからとしたものの、実際には関白・道隆が死去したことにより冷遇がはじまっていたということ。 屋のいとふるくて、瓦ぶきなればにやあらむ、 […]
「枕草子」が描いた世界《其の14》
上の御前の、柱によりかからせ給ひて、すこし眠らせ給ふを、「かれ見奉らせ給へ。今は明けぬるに、かう大殿籠るべきかは。」と申させ給へば、「げに。」など宮の御前にも笑ひ聞こえさせ給ふも知らせ給はぬほどに、長女が童の、鶏を捕らへ […]
「枕草子」が描いた世界《其の12》
207段は「笛は横笛、いみじうをかし」の続き。 笙(しょう)の笛は、月の明(あか)きに、車などにて聞き得たる、いとをかし。所狭(せ)く、持てあつかひにくくぞ見ゆる。さて、吹く顔やいかにぞ。それは、横笛も、吹きなしなめりか […]
「枕草子」が描いた世界《其の09》
紫式部の曽祖父・藤原兼輔は中納言だった。というのは伯父の藤原高藤の娘が宇多天皇の女御となり醍醐天皇を生んでいることで、兼輔も外戚となったことから出世の糸口をつかむ。 とはいえ、藤原高藤は、娘が女御となった源定省が皇籍に戻 […]