暗号とビットコイン

ビットコインは通常のお金とは性質が違う。ビットコインは「価値の所有権を移動」させる仕組みである。そして、価値は需要と供給によって決まる点も通常の貨幣と大きく異なる。

AさんからBさんにビットコインを移動させるためには、「電子署名」を使う。署名はAさんの公開鍵を使えばいい。ビットコインでは「楕円曲線署名」が使われている。Aさんの秘密鍵を知らなければ取引はできない。

改ざんもできないし、Aさんが支払っていないとも言えない。しかし、これだけでは二重払いを解決できない。

そのため、Aさんが直接、誰かに送ることはできずビットコインのネットワークに送る。このレコードを溜めてブロックにする。このブロックを正式な取引データとするために「Proof of Work」という膨大な演算をともなうパズル時をしなければならない。

これを「ナンス」といい、しかたがないとしても実にナンセンスな処理である。この競争に勝ち抜いた人が、トランザクションを正規にブロック化した褒賞としてビットコインがもらえる。

この工程を「マイニング」という。本によれば、ナンスをクリアするためには平均で2の72乗回の計算が必要になる。世界中のナインバーが必死になって計算すると、おおむね10分程度で1つのブロックが生まれる。

この「Proof of Work」ではSHA256というハッシュ関数を2重にかけている。SHA256関数で試してみるとわかるけれど、1文字変えるだけで大きく変化する。

https://dencode.com/ja/hash/sha256

よって、ビットコインのネットワークに改ざんしたデータを送っても成立させることはできない。かつ、世界中に展開しているすべてのノードを一瞬で書き替えることもできない。

正規に生まれたブロックをネットワークに流すと、各マイナーは条件を満たしているか確認の演算を1回だけして承認し、承認されたタイムスタンプをつけて直近の最終ブロックにつなぐ。これを「ブロックチェーン」という。

報酬は、2024年1月19日現在、ビットコインのマイニング報酬は6.25BTCだそうで、おおむね1BTCが600万円くらいなので3600万円の報酬になる。およそ10分で6.25BTCずつインフレになっていく。

ビットコインのインパクトは管理者がいない銀行のようなものを暗号技術で成立させていることになる。ビットコインには国も国境も政府もなく、経営主体もない。マイニング以外でコイン(貨幣)は生み出せない。

ちなみに、2024年1月11日にはビットコインの現物ETFが米SECによって承認された。日本では、そうした動きはみられていないが、いずれ乗り遅れ気味に対応せざるを得ないだろう。