財閥の一側面

近代日本には三井、岩崎、住友などの財閥が存在したが、それを上回ったのが天皇財閥であった。天皇財閥とは日本銀行(過半数を超える大株主)、満鉄、横浜正金銀行、日本郵船などの国策会社を株式を通じて支配した。

天皇主権説は皇祖皇宗に主権があることを主張するもの。これに対して、主権は国家に属し天皇は国家の下位機関であるとするのが天皇機関説である。昭和10年、美濃部は不敬罪で告発される。そもそも、憲法とは君主に対して制限をつけることである。それに対して日本での憲法は天皇が国民に下賜したものであった。

大正時代に政党政治家を排出したものの「統帥権」という考え方が軍部に使われ「統帥権干犯」が独り歩きしていくことで、軍部の暴走がはじまる。

統帥権とは、天皇による陸海軍の最高指揮権のことで、それを補佐したのは陸軍参謀総長と海軍軍令部長であり、政府とは別の機関であった。考え出したのは初代陸軍参謀総長の山県有朋。

皇室費は「内廷費」「皇族費」「宮廷費」の3つに分かれており、2021年度の予算は約124億円。宮内庁費が約61億円。皇宮警察費が約72億5千万円。占めて260億円ぐらいがかかっている。

大阪万博のリングよりはるかに安い。

皇室財産を富裕にしようという考えは岩倉具視が「憲法などが制定されると民権論が激進し、場合によっては皇室を否定する動きが出てくるかもしれない。よって、皇室財産を富裕にして陸海軍の経費を皇室財産で支弁できるようにする必要がある」としている。

皇室は国から予算を受け取るが、使徒については政府からの制約を受けないこととなった。その後、札幌製糖、東京ホテル、北海道炭礦鉄道、参宮鉄道、総武鉄道、京都鉄道、岩越鉄道など各鉄道会社の株式を取得している。

日清日露後には、北海道拓殖銀行、台湾銀行、台湾製糖、日本興業銀行、朝鮮銀行と株式取得の範囲を広げている。国内には富士製紙、東京電燈、大阪商船、日進汽船、東京ガス、帝国ホテルなどへの株式投資。

終戦時GHQ発表によると現金有価証券で3億円超。土地を含めると三井、三菱の数倍規模になっていたという。

「天皇+宮内省」を法人と考えると、生身の人間を超越した存在と符合し、その法人の実在性と対応する。日本の権力構造は、中心は実体を持たず、その周りには責任を持たない実力者がいる。こうした構造は江戸時代以前からもあったように思われる。

戦後、GHQによって財閥は解体されたが、官僚機構は明治早々から生き残りGHQに魂を売って、今も政治を蹂躙し、実質的に君臨している。政治家は単なる操り人形に堕しているが昨今ではピエロの役も担っている。

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