「ひじきのり」の話
福岡県にあるタカ食品工業では、小学校の学校給食用に個別包装したジャムを販売することで売り上げを上げてきたが、学校給食が米飯になることで売り上げが激減。
そこで考え出したのが「海苔の佃煮」をジャム同様に個別包装することで起死回生することができた。しかし、安倍政権下でコロナ対策として休校になったりで、なかなか苦しんでいた。
四国のある小学1年生が母に「ひじきのり」が食べたいと言ってねだるのでネットで調べてみるとタカ食品工業ではネット通販もしているとのことで、娘の誕生日にプレゼントしようと思い、注文したら通常の納品では娘の誕生日に間に合わないことが分かり備考欄に「なんとか娘の誕生日に間に合わせてもらえればうれしい」旨記述したところ、タカ食品工業の通販担当者が気を利かせて誕生日間に合うように送ってくれた。
こうしたことは、よくあるとは言えないかもしれないけれど、日本企業ならあり得ない話でもない。それをお母さんが動画にしてアップしたところ大反響になる。
40個で740円。1000円以上での購入だそうなので最低でも80個買うことになる。お母さんは娘の誕生日に、この「ひじきのり」を80個プレゼントした。
実際の映像は、動画の12分あたりから。
話は、それだけではなく、SNSには「いいね」が3万件もつき、タカ食品工業には、ヒジキノリの注文が半年分も殺到したとのこと。
ポイントは、いくつかある。
- 給食がパンだからジャムやマーガリンを個別包装にしたという着眼
- 給食が米飯になったら海苔の佃煮を個別包装にしたという着眼
- いい話に飢えている人が多くいるということ
- ちょっとしたことでも発信できる時代になったということ
- 逆を言えば、応対が悪ければ、それはそれで拡散し得るということ
子供のころ、ご飯に載せてよく食べたのが練りウニ。日章旗のようなマークのラベルが貼ってあった。それと、海苔の佃煮。
海苔の佃煮と言えば「桃屋」。桃屋と言えば「三木のり平(1924-1999)」。
三木のり平のエピソードで、鼻メガネを大村崑に譲ったこととか、本名が田沼則子と書いて「たぬま ただし」と読んだのだそうだが、女だと思われて徴兵されなかった。役所に問い合わせて入隊が1945年8月18日だった。
「京紫」に対抗して赤味がかった紫が創作されて「江戸紫」とされた。中国では海苔のことを「紫菜」と呼び、東京では醤油のことを「むらさき」と称することから桃屋では海苔の佃煮を「江戸むらさき」としたのだとか。