「スーパーローテート」という研修医の臨床研修
医師の国家試験合格後に初期研修と後期研修があって、
内科…24週以上
救急科…12週以上
4週まで麻酔科に振替え可
外科・小児科・産婦人科・精神科…各4週以上
地域医療…4週以上
必須以外の期間は診療科を選択して研鑽する。後期研修は、専門領域を深く学ぶ。
初期研修医は「研修医」、後期研修医は「専攻医」「専修医」と区別される。
医師法では臨床研修を受けないと診療ができなくなる。ただし、そもそも診療を目指していない場合は臨床研修は受けなくても良くて、基礎研究では芽が出そうにもなく、お金も欲しいとなった時点で臨床研修を受ければいいということ。
つまり、医学を作る医師にでもならない限り、臨床研修は不可欠ということで、診療する以上は眼科であろうが皮膚科であろうが、冒頭の各科は関らず研修しなければならないということ。
このことのメリットは、医師の診療的知識が豊富になるはずで、デメリットはあまりないように見えるが、実はそうでもない。2年で「ローテーション」といえば聞こえはいいが、盥(たらい)回しのようなもので、これでどれだけ診療的基礎知識が身につくかは不明。
それよりも、運転免許でさえ更新があるのだから、医師免許にも更新する制度にするべき。運転免許のような誰でも受かるような簡便な更新ではなく、人の命を預かるのだから医学一般の最新知識と選択診療科目の最新の専門知識を確認するべき。
敗戦直後(78年前)に免許を取っても医師が生きている限り医師免許が有効だということの方が、研修医制度の改正よりも喫緊の課題と思う。
余談
選択するつもりがない科目だと研修医にやる気が見られない。
短い期間、あっちこっちの科を研修させても、医療技術という観点からすればさほどの効果はない
教える側も、自分が専攻しようとする科として研修に来ているのでなければ熱心に教えても意味がないので真剣に教えない
やる気のない研修医に割く時間が無駄
必修の産婦人科・外科はおかしい
生半可な知識は逆に患者のためにならない
というような意見もあり、アンケートでは、ローテートとストレートがほぼ半々という感じ。
所詮、診療もしたことがない厚生官僚の考えることはこの程度。