「人を選ぶ技術」とは

「人を選ぶ技術」という本が出ているそうで、図書館をチェックしたらあったので予約しました。10人目なので18週先になりそうです。そのころには興味が尽きているかもしれませんけど、組織論として興味があったのでちょっと長い記事でしたが読んでみました。

「国内の大企業もスタートアップも、おしなべて採用力が低い」という指摘。これは、合っていそう。

中途採用になると、「人を見ずに経歴を見て」採用する傾向があるようですが、これは、人物を見抜く力がないがゆえと思います。

「経験・知識・スキル」は比較的客観的に判断しやすいが、雇用する組織、投入しようとする職場でのポテンシャルを見抜くのは、簡単なことではないと思います。試験投入する以外に適格性は見抜けないでしょう。

リクルートでは、社員の変化を定点観測し、その言語化を迫る仕組みがあるのだそうです。その結果として評価がフェアになり人物評価に対する知見が蓄積されていっているのだそうです。

そういう会社に雇用されることはないと思いますが、雇用されたいとも思えません。

面白いなと思ったのは「人として有能・平凡」と「人として有害・無害」を二軸に取ると4象限になるという部分です。当然ですが有能で無害な人が第1象限になります。

「2軸4考de仮説検証」も参考にしてみてください。

どこでも、一番問題になるのが「有能で有害」な人材の処遇になります。管理職、あるいは、その人材より上に、もっと有能な人材がいない限り、組織からの依存度が上がる結果として、さらに害毒になりますが、それを放置することで周囲に悪影響を及ぼしかねません。

同時に、「平凡で有害な」上司や幹部も組織に悪影響を与えます。

逆を言えば、そうしたことが日本型「組織」でもあるわけですが、限度と粛清の基準を明確にしておかなければなりません。

人間が集まることで、確かに有能・無能、有害・無害のような尺度で人を判断していくことは仕方がないことでありますが、有能人間だけ100人集めれば、その組織は強靭になれるかと言えばそんなことでもなさそうです。

「ターマンの子供たち」で集められた子たちの知能指数は高かったけれど後世に名を残した人は少なかったようで、大人になってからは逆に、自分の頭の回転の速さに対して成果に結びつけられなかったことへの悔悛の念を禁じえなかったようです。

つまり、仕事における「有能」とは、「経験・知識・スキル」とのことでするが、「先を読む力」「気遣い・配慮」「創造性」「決断力」「経験、あるいは訓練」「知識」などもさることながら、とどのつまりは「人柄」も大きそうな気がします。

とはいえ、人を評価して、人の人生に関わるようなポジションに立ちたくはないし、ひとから評価もされたくないのは、多くの人にとって共通するところでもあります。どのみち「平凡で有害」と判定されるのがオチなのでしょうから。

「ずるい仕事術」という本が人気だということで図書館から借りてきました。区内に4冊あって、いまだに27人待ちの人気の本です。おととい手元に来たので目を通しましたが、特に読むこともなく返します。次の人が待っているということもありますが、本を読むなら優先度の高い本を先に読んだ方がいいかなという程度の内容のような気がします。

この程度のレベルの内容の本が望まれているということには「平凡で無害」な人たちの希求がありそうです。