「人種間の知能差」というレポート

要点
人種間で知能に差があるという調査を前提にしている。なぜ、人種間で知能差が生じるのかについて、科学的な深堀がされているわけではなく、仮説、推測に基づいている。また、「人種」として一塊にしている背景も不明。
ネタとなっている本は、橘玲という人が書いた「もっと言ってはいけない」であるが、自分からすれば「とんでも本」であった。新潮新書という、まともと思しき出版社がこのレベルの本を出していることに驚きを隠せない。
原典ダウンロード
2015年に発表されている。PDFはダウンロード可能。

要点(geminiによる)
この文書は、リチャード・リンによる「RACE DIFFERENCES IN INTELLIGENCE」の第2版の序文と、いくつかの章の内容を含んでいます。以下は要点のまとめです:
- 第2版の序文:
- 初版は2006年までの研究をまとめたもので、第2版は2014年の前半までの研究を追加。
- サハラ以南のアフリカ人の平均IQが67から71に変更。
- ヨーロッパ南部(バルカン、イタリア、南スペイン)のIQが北部より低いことが判明。
- 世界の知能分布:
- 世界の知能分布図が示されている。
- 知能の定義と測定:
- 知能は問題解決、学習、記憶の効率を決定する単一の構造と定義。
- アメリカ心理学会の定義によると、知能は複雑なアイデアを理解し、環境に適応し、経験から学び、様々な形の推論を行い、障害を克服する能力。
- 知能の階層モデル:
- 知能は「一般知能(g)」と「特定の能力」に分けられる。
- 70の狭い能力、8~10の二次因子、単一の一般因子(g)からなるピラミッド構造。
- IQの測定:
- イギリスの平均IQを100とし、他の国のIQをこれに対して計算。
- アメリカの標準化サンプルでは、ヨーロッパ人の平均IQは約102、黒人は87、ヒスパニックは92。
- フリン効果:
- IQは1920年代から世界中で上昇している。
- フリン効果により、テストの結果を調整する必要がある。
- 人種の定義と形成:
- 人種は遺伝的に異なる特徴を持つ集団。
- 地理的隔離、文化的要因、内婚により遺伝的に異なる集団が形成される。
- ヨーロッパ人の知能:
- ヨーロッパのIQはほぼ100に近い。
- 南ヨーロッパのIQは北部より低い。
- 南ヨーロッパの低いIQは、近東や北アフリカからの遺伝的混合によるもの。
- サハラ以南のアフリカ人の知能:
- サハラ以南のアフリカ人の平均IQは71。
- アフリカ系アメリカ人の平均IQは85。
- ブッシュマンとピグミーの知能:
- ブッシュマンの平均IQは55。
- ピグミーの平均IQは57。
- 南アジアと北アフリカの知能:
- 南アジアの平均IQは84。
- 北アフリカの平均IQは83。
- 北極圏の人々の知能:
- 北極圏の人々のIQは低く、遺伝的要因と環境要因が影響している可能性がある。
- 1930年代から環境が改善されても、IQの向上は見られなかった。
- ネイティブアメリカンの知能:
- ネイティブアメリカンのIQは、北米での研究によると平均86である。
- 視覚化能力が強く、言語能力が弱い傾向がある。
- ラテンアメリカのネイティブアメリカンの知能:
- ラテンアメリカのネイティブアメリカンのIQは79から92の範囲である。
- 平均IQは86で、北米のネイティブアメリカンと同じである。
- ネイティブアメリカンとヨーロッパ人の混血:
- 混血のネイティブアメリカンは純血のネイティブアメリカンよりも高いIQを持つ。
- 混血のIQは93、純血のIQは67である。
- 音楽能力:
- ネイティブアメリカンの音楽能力はヨーロッパ人と同等である。
- リズムの識別能力はヨーロッパ人よりも高い。
- 脳の大きさ:
- ネイティブアメリカンの脳の大きさはヨーロッパ人よりも小さいが、差は小さい。
- ヒスパニックの知能:
- ヒスパニックのIQは平均89である。
- ヒスパニックは主にメスティーソ(ヨーロッパ人とネイティブアメリカンの混血)である。
- 栄養の影響:
- 栄養不足が知能に影響を与える。
- 南アメリカのネイティブアメリカンのIQの低さは栄養不足による可能性がある。
- 遺伝的要因:
- 環境要因と遺伝的要因が知能に影響を与える。
- ネイティブアメリカンの知能は遺伝的に決定されている可能性がある。
- 南アジアおよび北アフリカの人々のIQ:
- 南アジアおよび北アフリカの人々のIQは、ヨーロッパやオーストラリアにおいて83から97の範囲である。
- イギリスに住む南アジア人のIQは、居住期間が長くなるにつれて上昇する傾向がある。
- 南アジア人のIQの中央値は89であり、
ここまでは、PDFをgeminiがまとめた要点になる。
私見:主張
人類の進化において必要なことは、「知能」より「創造性(イノベーティブ)」である。創造性の裏付けに知能があるわけでもない。「創造性」の次に必要なことは、「人間力」である。内閣府が2003年に定義してる。
「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」
「知能」が必要になったのは、主として「金儲け」と「権力維持」には不可欠な要素となったからだ。「知能」がなければ「資本主義」は成立しなかった。
かつて「権力」といえば、殴り合いとか殺し合いで決着をつけたが、「知能」が「権力」を手にするようになると大方は「世襲」と組み合わせるようになる。なぜなら、「能力」や「資質」は、多分に個別な能力であるため「親」から「子」に渡す手段を講じる必要が出てくると「血統」を言い出す。
これならだれでも、その家に生まれれば「権力」を受け継ぐことができるが、有能な部下からすれば疎ましいだけで、結果、力自慢が跋扈している限りは政権交代が比較的発生することなる。
そこに「法律」という概念を持ち出し、殴り合いが弱くても「法」に守ってもらえる「権力」体制を「知能」が作ることとなる。
「知能」が高いことが福音であるのかは知能が高くなって見ないと分からないからコメントできない。