いま、話題の「不倫」を考える
「不倫」のもともとの意味は「倫理から外れた」「人の道に外れた」ということ。 古くは孟子の思想の五倫に由来するもののようで、 明治のころから使われていたらしい。
五倫とは、父子、君臣、夫婦、長幼、朋友の間の倫理のこと。
実際の使われ方からすれば「夫婦」に限定して使われている。友達を裏切っても「不倫」とは言わない。「不倫」が定着したのは1983年のドラマ、『金曜日の妻たちへ』(「金妻」)からだという説がある。
法律では「不貞」という単語が使われている。
民法(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
ということは、いくら不倫をしたからといって法的には関係がなく、今話題のケースで言えば妻に、離婚および慰謝料の請求を申し立てる権利が発生している程度といえる。
不倫が人の道を外れているかは、法律には書かれてはおらず、離婚を申し立てる権利が生じるという程度。妻の請求権以外には何ら法律関係は生じない。
ということは、愛人側の権利・義務はどうなるのであろうか?
不倫相手は、不倫された相手、このケースで言うなら「妻」から夫である国制政党代表に対すると同様に損害賠償請求の対象となる可能性がある。
「明るみになったから別れよう」「さようなら」と言って別れる。はたまたホテルで再度、密会すれば、さらなる話題が提供されるので妻と離婚でもしない限りは密会は難しくなる。つまりは「捨てられる」ことになるわけで、このことで慰謝料が請求できるのかは不明だけれど、きっとできるだろう。
違う視点で考えてみると、なぜこの件がこのタイミングで明るみに出たのかと言えば、国家権力が背後で動いていることは確実である。今日も日刊スポーツで「玉木氏は2006年10月7日、「政党の品質保証」というタイトルでブログ」という記事が出ていたが、18年も前のブログなどの調査能力は国家権力以外に考えにくい。
思えば、前川前事務次官が「出会い系バー」に通っているという情報を「読売新聞」がリークしたことがあったが、これも前川さんが安倍政権にたてついた直後のタイミングだった。そのことより「読売新聞」が権力の走狗をしていることに衝撃を受けた。
「出会い系バー」に通ったからと言って違法ではないが信用失墜行為になる。今回の事例で言えば、「不倫(不貞)」は当事者間の民事に抵触する程度で、第三者がことさらに騒ぎ立てることでもないけれど、信用失墜行為としては有効である。
つまり、政治家になるということは、おそらく15歳以降の「バラしネタ」が公安などによってファイルしてあり、政権というより官僚組織に不利益になりそうなら、配下のメディアを使ってリークさせるのだろう。
前川さんの時は読売新聞だった。今回はFLIDAYだった。これらのメディアは権力のお先棒担ぎであるということ。権力の監視などできるはずもないし、するはずもない。
さて、玉木さんの例でいうなら、今後は、どのようにして妻および愛人に対する配慮をそつなく対応することができるかがポイントになる。政治家を続けるのであるなら、愛人に対しては「金」で解決して円満にお別れする以外にない。お別れするのは、愛人だって妻に対して「不貞」な存在であることは認識していたわけだから同罪でもあるのだからしかたがない。
不貞と政治能力は、同じ俎上で評価することではないとは言うものの、この時期にそのようなことがバレたらどれだけもマイナスになるかが計算できないことは、小さな政党の代表は勤まっても総理大臣は無理だろう。
家族に与えるダメージや政党に与えるダメージ、さらにはせっかくの機運を掴みかけているのに、目の前の性欲に負ける人間は、人間としての弱さは利点となる場合もあるかもしれないが、己の欲望をコントロールできない程度の人間では大望を成就させることは、きっとできない。
翻って政権与党議員に対しても財務省は圧力をかけているはず。「ばらしネタ」ファイルを手にして「国民民主党の要求を飲めば痛い目に合わせるぞ」と圧力をかけていることは間違いがない。自分が官僚だったら必ずやると思うぐらいだから、東京大学出るくらいなのだから、政治家をコントロールする手段として絶対にやっているはずだ。
自民党政権が長すぎたことで、金権体質で津々浦々の地方議員や公共事業で潤う全国の業者は、金権体質に染まってしまった。それより大きな問題は、政治家があまりにも無能なことで官僚主導の国家になってしまっていることだ。
官僚は政治家はもとより、国家国民を睥睨している。この官僚の意識をぶち壊すのには、政治家は官僚にいい負けないだけの理論武装ができなければならない。公安とメディアを使った信用失墜行為も頻発する。特別会計の闇を暴こうとした石井紘基は「右翼」に暗殺されたことになっている。
玉木代表ができることは、財務省への復讐をどのように果たせるかで、彼の価値が決まる。首班指名において党議拘束をかけているようでは、まだまだな感じがある。