ついでに「硫黄水素」雑学

英語の語源は二つの説があり、一つはラテン語で硫黄を意味する「sulpur」、もう一つはサンスクリット語で「火の元」を意味する「sulvere」。どちらにせよ「sulfer」となっている。

日本語の「硫黄」は、「湯黄(ゆおう)」がなまって言い伝えられ、「硫黄(いおう)」になったとされているそうだが、「硫黄」の「硫」の感じが気になる。

温泉に行くと独特のにおいがする。これが「硫黄」の匂いだと思っていたが、実は「硫化水素」の匂いだそうだ。「硫黄」自体は無臭とのこと。

発見については、紀元前だそうだ。

これは、全くつまらない余談であるけれど、小学校の高学年(5年か6年くらい)のころに町はずれにある薬局で「硝石」と「硫黄」と「炭素」を駆ってきてヤマト糊で混ぜてロケットの燃料にしようと思ったけれど、ロケットの筒がうまく作れなかったので、庭で火を付けたらすごい勢いで火が付いた。いまなら警察沙汰だ。

ちなみに、精製硫黄500gをamazonで1,878円で売っている。

硫黄と言えば「温泉」である。1974年というから50年前、地質調査所の「日本の温泉鉱泉」によれば、アメリカには1,003、アイスランド516,イ タリア149,フランス124の温泉あるいは鉱泉地があるというのに対し、我らが日本には2,237 箇所もあり、90℃以上の温泉は 110 箇所あるそうだ。

実際には深く(1000メートル以上)掘れば、いたるところに温泉があるようで、断層があるようなところは結構湧出しているようだ。

この中に硫黄が絡む温泉がどれくらいあるのかはわからない。geminiに「温泉の硫化水素は、硫黄と水素はどこで結合するのか」を尋ねたら「地下水中に存在する硫酸塩を、硫酸塩還元菌という種類の細菌が還元することで、硫化水素が生成される」という答えと、「高温高圧の地下水と、硫黄を含む鉱物が直接反応し、硫化水素が生成される」という答えが返ってきた。

火山活動が活発な地域では、このメカニズムによる硫化水素生成が特に顕著に見られるとのこと。時として、硫化水素の濃度によって死亡事故が起きることもある。

硫化水素はゆで卵からも発生する。15分以上ゆでると、卵白たんぱく質の一部が熱によって分解され硫化水素が発生するらしい。白身と黄身の境目が暗緑色になるのは、硫化水素が卵黄の鉄分と結合したことによる。

「おなら」からも硫化水素が発生することがある。

「肉や魚などのたんぱく質を大量に食べる」「玉ねぎやニラ、にんにくなどの硫黄化合物の多い食べ物を食べる」「腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が多くなっている」と硫化水素を含むおならになる。

硫黄臭い「おなら」はげんなりするけれど、温泉地の硫黄臭(実際は硫化水素)は、いかにも温泉らしく感じる。

geminiに「硫黄温泉では、金が掘れる可能性は高いですか」と尋ねたら、「硫黄成分は、金を含む鉱床形成に深く関わっていることがある」との回答だった。ChatGPTでは「地質条件によりますが、一般的には『それほど高くはない』」とのこと。草津で金が掘れたとはあまり聞かない。