アトピー性皮膚炎のかゆみの正体
佐賀大学によるアトピー性皮膚炎のかゆみの正体を特定したとの発表が2023年1月にあったとのことです。
アトピーという名称の由来は、「特定されていない」「奇妙な」という意味のギリシャ語「アトポス」(atopos - a=否定、topos=由来)であり、1923年にアーサー・フェルナンデス・コカ とロバート・アンダーソン・クックによって命名された。アトピー性皮膚炎 (atopic dermatitis)という病名が医学用語として登場するのは1933年で、アメリカ人の皮膚科医マリオン・ザルツバーガーらが、皮膚炎と結びつけて使用したことにはじまる。
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65%が1歳までに、90%が5歳までに発症する。遺伝要因は50%程度とされているが、過去30年で増加しているので遺伝要因だけで説明することは難しいらしいが、アトピー性皮膚炎のリスク排除の第一手段として乳児の完全母乳が推奨されているとのこと。また、母乳哺育を行う生後4か月までの乳児の母親が、牛乳の摂取を制限することで、その子のアトピー性皮膚炎の発症率を下げるというデータもあるようだ。
佐賀大学の発表では、皮膚組織で作られるペリオスチンがほかのタンパク質(インテグリン)と結合することで痒みの知覚認識になることが分かり、それを阻害する「CP4715」を使うことで、痒みが改善することを発見した。
アトピー性皮膚炎患者では、インターロイキン4や13という炎症性の刺激により、ペリオスチンが大量に産生されて皮膚組織に沈着する。沈着したペリオスチンは表皮細胞を刺激して、炎症を引き起こす別のサイトカインを産生するため、さらに炎症が継続するという循環が起きる。
つまり、ペリオスチンとインテグリンが結合しないようにすれば痒みを軽減することができる可能性があることになり、それが「CP4715」というのが、佐賀大学の発見になる。
「CP4715」を調べてみると明治製薬株式会社が抗血栓剤として開発された薬剤であるが、自社開発を中断し米国のメディシノバ社とライセンス契約を結び、日本及びアジア地域を除く全世界に対する開発・製造・販売する独占的権利を許諾した。
佐賀大学の発見で明治製薬からアトピー性皮膚炎用の軟膏が発売される日も近い。
理数の頭があると、医学部を志す人が少なくなかったけれど、これからの医学は医療を開発できるくらいの力量がなければAIの指示に従ってAIをサポートする医師になっていくだろうし、高齢化社会において医療費の削減は必死になるから、ゴージャスな家に住みBMWやベンツを乗り回すようなステータスもあと10年か20年。
理数の頭があるなら、医学より薬学のほうがお金には縁がありそうだけれど、これもAIが創薬に力を発揮していくことも想像に難くない。理数の頭があるとしてもITはやめたほうがよさそうなので、結局は、理数の頭があるなら工学(テクノロジー)で全力を発揮してもらうことが国力にもつながりそうだ。
旅客機は飛ばなかったし、ロケットは失敗続き。ここを打開しなくては明るい未来にはつながらない。