クソメール雑感

毎日、100件ほどのメールをタイトルをざっと見ながら捨てている。単なる「徒労」でしかない。
「amazon」「郵便局」「佐川」「警視庁」、カード会社、金融その他もろもろ。中には、どこかで登録した結果、送られてくるステップメールも半分くらいはありそうだけれど、どうせ読むことはない。
つまり、出す方も、読まれることをきっと前提としてはいないはず。しかし、1文作れば、あとは100万通出そうが、200万通出そうがコストはさほど変わらない。
なぜ、このような馬鹿なことがまかり通っているのだろうか? 馬鹿なメールは、馬鹿な人たちが出しているのだろうか?
ちょっと前、(その当時)人気サイトの広告担当者が、広告の申し込みがあって契約の寸前で、その会社が「金貸し」であることが分かって断りに行くので一緒に行こうと誘われ、同行したことがあった。
神田の駅近くの瀟洒なオフィスビルの瀟洒な会議室に招かれ、担当者は、きちんとしたスーツを身にまとうまっとうなビジネスマンであった。
彼の話を聞くと、彼らのノウハウで作るメッセージを100万とか200万送信すれば、統計的に一定数の借り入れ申し込みがあるのだそうだ。つまり、彼らの文面でメールを出しさえすれば商売が成立しているということ。
これは、北海道の化粧品販売会社の「チームX」と、おそらくは全く同じやり方をしているのだろう。
金貸し、化粧品販売は、脱法さえしていなければまっとうな商売である。詐欺メールは、さすがにまっとうではないのに、なぜ、毎日送ってくるのかと思えば、金貸し、化粧品販売と動機は全く同じといえる。
では、なぜあのような稚拙なタイトルで、稚拙な文面でメールを送ってくるのかというと、そんなバカバカしいメールに反応してくる「カモ」が狙いになっているらしい。
「カモ」の条件は「認知的に脆弱」な人を狙っている。認知的にまっとうな人を相手にするなら、説明したり説得したり、なだめたりすかしたり努力が必要になる。その上、「やっぱり怪しいからやめる」となればコストが超過してしまう。
それより、バカバカしい(といってもノウハウがあるらしい)文面のメールにひっかかってくる「カモ」を狙うのが彼らの合理的やり方なのだそうだ。
化粧品販売だって、基本原理は同じである。違いは、法に触れているか否かだけで「カモ」を狙っていることには変わりはない。
化粧品の売価の半分以上は「広告宣伝費」である。ようは、「広告宣伝費」を顔に塗りたくっているようなもので、それをありがたがって買っているということは「認知的に脆弱」な人間がターゲットにされているという次元において、フィッシングと本質的な違いはない。
結局、原価の上に載っている「経費」と「利益」、とくに「利益」は、いわば「だまし」で成り立っているのが商行為ということ。
それが特別に上手だったのがヨーロッパ系ユダヤ人(アシュケナージ)だった。それが、憎しみの対象になったということは、ドイツ人が「認知的脆弱」からヒトラーによって「覚醒」した瞬間に「憎悪」になったということなのだろうか。