サプリメントの実態

「チームX」でも書いたように、扱い商品が化粧品やサプリだとするなら、突然肌がきれいになったリ、20歳も30歳も若返った利するはずはない。膝が痛い、腰が痛いとして、サプリ一発で、そこいら飛び跳ねるはずもない。

サプリは、日本では「食品」としての規制しかかからないから、医薬品のような規制は不要である。

アメリカでは、2023年7月に医学誌に発表された研究では、スポーツに有益な5つの成分のいずれかを含むと表示されているサプリメント57製品を分析したところ、84%の製品は成分量が表示と異なり、40%は表示されている成分が含まれていなかった。

さらに、12%はFDA(米食品医薬品局)が禁止している成分を表示なしで含んでいたとのことである。ビタミンも脂溶性のものだと肝臓や脂肪細胞にたまりやすいので、実害を及ぼす可能性すらある。

ビタミンAの過剰摂取は、血が止まりにくくなったり、出血の原因になることもある。ビタミンDの過剰摂取は吐き気、筋力低下、錯乱、嘔吐、脱水を引き起こす恐れがある。

多くの栄養素は一般的な食品に豊富に含まれている。そして、食物繊維が豊富な野菜や果物など、加工されていない食品を丸ごと食べた方がビタミンやミネラル、腸内環境に有益な成分を効率的に取れる場合が多い。

日本整形外科学会のホームページによれば、ヒアルロン酸の関節内投与(注射)に関しては保険の対応として有効性が認められているけれど、経口摂取ならば、改善したというような科学的データはないようだ。

ヒアルロン酸は腸で分解されてしまうから軟骨の材料になるとは考えにくい。有効性が認められないことは確かなことで、同様に、有効性がないということも断言はできない。

神社やお寺で賽銭上げて拝むと効果があるような気分になれる。アメリカでは皆保険がなく、医療費が高いという事情もあって、サプリ頼みなるようであるけれど、日本においては、本当に治したければまず病院に行くほうがよさそうだ。

「チームX」で分かったことは、“「宣伝」買っている”のではなく“「宣伝」買っている”ということ。