ジオフェンス

ジオフェンスとは、仮想的な境界線で囲まれたエリアを表します。ジオフェンスは、このエリアに対象が「入った / 出た」を判断するために利用できます。自店舗周辺のエリアをジオフェンスとして設定し、顧客等が所有するスマートフォンなどで取得できる位置情報を利用することで、自店舗の近くを顧客が通ったときにクーポンなどをメールで送信するような活用が可能です。

マーケティング分野では、店舗周辺にジオフェンスを設定し、ジオフェンスに入った会員にセール情報やクーポンを送信するために利用する。このとき、会員の性別や年齢などを把握できるようにしておくと、性別、年代などの特性にあわせたセール情報を送信することも可能であり、より効果的なマーケティング ツールとして利用することもできる とのこと。

となれば、犯罪が行われた時間帯に特定のジオフェンスに出入りしたデバイスを識別することができるらしい。ということは、あらかじめジオフェンスを登録しておくのではなく、あとからジオフェンスを設定して、犯行時間にそのジオフェンスに出入りしたスマホの持ち主を取り調べれば犯人逮捕に無駄なコストをかけないで済む。

しかし、アメリカの憲法修正第4条では、「いかなる令状も、宣誓または宣誓に代わる確約に基づいて相当な理由が示され、なおかつ捜索する場所および抑留する人、または押収する物品が個別に明示されていない限り、これを発行してはならない」と定められていて、これが障害になる。

実際にミシシッピ州の郵便局で発生した強盗事件はジオフェンスによって犯人を特定できたが、裁判所は「憲法上不十分」と述べたが「今回の事件の裁判では証拠を認定すると裁定」したそうだ。

状況によっては、犯行に全く関係がない人であっても、その時間帯に設定されたジオフェンスを通過した人はみんな捜査線上にあがってしまうことはプライバシーの侵害でもある。

治安とプライバシーのどちらを優先するかのバランスの問題となる。

中国ならまかり通るテクノロジーであるが、アメリカでは憲法違反になる。ロシアやイスラエルが何をしようがとがめられることのない国際連合では、日本とドイツはいまだに「敵国」だ。つまり、国際連合からすれば、ジオフェンスを貼られているということになる。