パキスタンの位置関係
イランとパキスタンは、国境を境に越境して攻撃をしている。アフガニスタンとパキスタンとの国境でもバルスタン州の分離独立を目指す解放軍のテロ攻撃に苦慮している。アフガニスタンに潜伏しているパキスタン・タリバン運動とも戦っている。分離独立を掲げる解放軍とも戦っている。
今のところ、インドとの国境は平穏であるが、いつまで続くかはわからない。
インドとブータンは、それぞれ中国との国境をめぐって争っている。ミャンマーの内戦は、バングラデシュに波及しており、国軍から離脱する兵士がインドにも逃げているので、インドはミャンマーとの国境にフェンスを作ろうとしている。
パキスタンは、国境地帯の緊張で特に大きな打撃を受ける。構造改革を拒んできたパキスタンの姿勢にも問題はあるが、最大の問題は経済にある。
中国と国境を接する国も紛争地帯をあっちこっちに抱えている。中国は、東シナ海、南シナ海でも国際法を無視して領海を主張している。
このように、国境で接している国々は、いろいろな危機を抱えている。欧州では、ノルウェーがロシアと長い国境で接している。今まではロシアの機嫌を取るためにNATOにも入らず、我慢していたがウクライナ侵攻が現実になったためNATOがなければ安眠できくなった。
まとめ
領土を拡張しようとして紛争を起こすということは、今の時代において、とても考えにくい行いといえるが、積極的にそうしたことを行っているのは中国とロシアぐらいだ。
中国が考えていることは、国民のアイデンティティを鼓舞するためぐらいしか考えられない。ロシアに関してはよくわからないが、NATOが接近してきているとかウクライナがナチズムに汚染されているとかを理由にしている。
かつて日本がアジアを蹂躙したのは、一部の軍人が領土欲(満州)を持ったのかはわからないが、英米と戦うためには資源確保が喫緊の課題(仏印・蘭印など)でもあったからで、困窮する国民の意識を国外に向けさせるためではなかったと思う。
パキスタンが抱える国境問題は、経済の不振に加えてテロとか分離独立のような国内事情の不安定が関与している。
ウクライナに攻め込んだロシアや、パレスチナにおけるイスラエルのような歴史的背景をもつ事情も、きっとあるのだろう。
要するに国連があっても、期待するほどの機能を果たせるわけではないとなると、自国防衛には、ある程度の犠牲を覚悟しても対策しておかなければならないといことになる。
トランプはNATOが応分の金を出さないのであるなら、ロシアにNATO加盟国に攻め込むことを勧めている。トランプが大統領になれば、日本にも守ってやる代わりに応分の金を出せと言ってくるだろう。ただでさえ、岸田総理はバイデンの言いなりに多額の兵器を購入させられているが、あの程度では済まないだろう。
装備はお金を出せば買えるが、兵隊は訓練が必要になるので、ここを手当てしなければ憲法を書き換えるくらいでは、根本的な解決にはならない。
トランプが大統領になるようなアメリカにしか依存できないことが、根本的に解決するべき問題だったが、少子化同様に手遅れ感が充満している。
これも、戦後の長きにわたって与野党の政治家と官僚が結託して招いた政治レベルの低下に起因する。それを許してきたのは「有権者」という国民の選択だったことになるが、他にどうすればよかったのかを考えなければ、落ちるところまで落ちていくしかない。