マンモスの染色体
今回の発見は52,000年前のマンモスの遺骸だそうで、人類がネアンデルタール人と共存したころになるという。日本に人類が住み始めたのは、3万年ほど前からとされているから、それよりずっと昔の時代の、動物の染色体がほぼ無傷で見つかったのは画期的なことだ。
遺骸は永久凍土に保存されているから状態は悪くないはずであるが、凍土が解凍と再凍結を繰り返すうちに動物の軟組織の微細構造が損傷してしまうことが多い。
このマンモスは「毛」が残っていた。そのことは瞬間に冷凍され、その後一度も解凍されていないことを示しているのだそうだ。
毛、毛包、無傷の細胞、そして細胞の領域内に折りたたまれた染色体をも保持していた。肉は「ガラス転移」されていた。
ちなみに、「ガラス転移」をGeminiに聞くと、
結晶を作らない: 液体を急激に冷却すると、分子が規則正しく並ぶ暇がなく、アモルファス(非晶質)と呼ばれる、不規則な構造の固体になります。これがガラスです。
明確な融点がない: 普通の固体は、ある特定の温度(融点)で一気に液体に変わりますが、ガラスは温度を上げると徐々に柔らかくなり、ある温度範囲でドロドロの状態になります。この変化が滑らかに行われる様子を、ガラス転移と言います。
可逆的な変化: ガラスを温めて柔らかくなった状態から、再び冷却すると、元の硬いガラスに戻ることができます。
とのこと。液体を冷却していくと、分子が動きにくくなり、ある温度以下になると、ほとんど動かなくなる。この状態がガラス状態。ガラス転移点は、分子が自由に動き回れる状態と、ほとんど動かなくなる状態の境目になるが、実際には複雑な反応による。
マンモスの例では、微視的レベルで分子の交通渋滞のようになり、染色体が拡散できなくなったことで古代分子のタイムカプセルとなった。
マンモスの染色体はゾウと同じ28本。ちなみに人間は23本。この染色体を使うことで、アジアゾウとAIを使って比較することで、これまで考えたこともないような発見に期待ができそうだ。
マンモスは、現生のゾウの直接の祖先ではありません。しかし、マンモスと現生のゾウは、共通の祖先を持つ近縁な動物です。
マンモスとゾウの関係について、もう少し詳しく説明:by GEMINI
- 共通の祖先: 約700万年前から600万年前に、アフリカゾウ属から、「インドゾウとマンモスの共通の祖先」が分岐しました。さらに600万年から500万年前に、その共通の祖先から、アジアゾウ属とマンモス属に分岐したと考えられています。
- 近縁性: DNA分析の結果、マンモスはアフリカゾウよりもアジアゾウに遺伝的に近いことが分かっています。
- 絶滅: マンモスは、約400万年前から1万年前頃まで生息していましたが、現在は全ての種が絶滅しています。