メンバーシップ型とジョブ型

メンバーシップ型とジョブ型
メンバーシップ型の組織形態にジョブ型を混在させることで組織はうまく機能すると思えますか
メンバーシップ型とジョブ型の組織形態を混在させることは、適切に設計・運用されれば、組織にとって大きなメリットをもたらす可能性を秘めていると言えます。それぞれの良い点を活かし、デメリットを補完し合うことで、より柔軟で効率的な組織運営が期待できます。
ただし、混在させる際にはいくつかの重要な考慮事項があり、安易に進めると混乱や不公平感を生む可能性もあります。
うまく機能する可能性のある点:
- 柔軟性の向上: ジョブ型要素を取り入れることで、特定のスキルや専門性を持つ人材をピンポイントで採用・配置できるようになり、組織全体の専門性や対応力が向上します。一方、メンバーシップ型の長期的な視点は、組織全体の安定性や継続的な人材育成に貢献します。
- 多様な人材の活用: ジョブ型は多様な経験やスキルを持つ人材を惹きつけやすく、組織の活性化につながります。メンバーシップ型は、新卒採用などで組織文化を浸透させ、長期的な視点で人材を育成するのに適しています。
- パフォーマンス向上: ジョブ型による明確な職務記述と成果主義的な評価は、個々のパフォーマンス向上を促します。一方、メンバーシップ型のチームワークや協調性は、組織全体の成果につながります。
- 変化への対応力: 環境変化に応じて、ジョブ型で必要なスキルを持つ人材を迅速に確保したり、メンバーシップ型で培われた組織の一体感で困難を乗り越えたりするなど、変化への適応力を高めることができます。
注意すべき点と課題:
- 評価制度の複雑化: メンバーシップ型の年功序列的な要素と、ジョブ型の成果主義的な要素をどのように組み合わせ、公平な評価制度を構築するかが重要になります。
- キャリアパスの多様化: メンバーシップ型のような画一的なキャリアパスではなく、ジョブ型に応じた多様なキャリアパスを示す必要があります。これにより、社員のモチベーション維持が重要になります。
- 組織文化の融合: 異なる雇用慣行を持つ人材が混在することで、組織文化の衝突や摩擦が生じる可能性があります。双方の価値観を理解し、尊重し合う文化を醸成する必要があります。
- 人材育成の再設計: メンバーシップ型のような長期的な育成だけでなく、ジョブ型で求められる専門スキルを効率的に習得させるための育成プログラムが必要になります。
- コミュニケーションの重要性: なぜ混在型にするのか、それぞれの制度がどのように機能するのかを社員に丁寧に説明し、理解と協力を得る必要があります。
- 不公平感の排除: 一部の社員にはジョブ型、一部の社員にはメンバーシップ型が適用される場合、その基準や理由を明確にし、不公平感が生じないように配慮する必要があります。
成功させるためのポイント:
- 明確な目的設定: なぜ混在型にするのか、どのような効果を期待するのかを明確にし、組織全体で共有することが重要です。
- 段階的な導入: 一度に全てを変えるのではなく、試験的な導入や部分的な導入から始め、効果を見ながら徐々に拡大していくことが望ましいです。
- 丁寧なコミュニケーション: 制度の変更や意図について、社員に対して透明性を持って丁寧に説明し、意見を聞く機会を設けることが重要です。
- 柔軟な制度設計: 組織の状況や事業戦略に合わせて、柔軟に制度を調整していく必要があります。
- リーダーシップの発揮: 経営層や管理職が混在型のメリット・デメリットを理解し、積極的に推進していく姿勢が不可欠です。
結論として、メンバーシップ型とジョブ型の混在は、組織に新たな可能性をもたらす一方で、慎重な設計と運用が求められます。組織の特性や目標に合わせて、それぞれの要素をどのように組み合わせるかが、成功の鍵となるでしょう。
私見
うまくいくはずがないと思う。
「メンバーシップ型」の残渣(要するに現職の管理職)は、管理職や経営陣に多く含まれるが、そここそを「ジョブ型」に切り替えていかなければ企業体質を変えることができない。
「メンバーシップ」などと横文字風に呼べば、新しい雰囲気がするけれど、要するにメンバーシップ型の上層部にこそ、組織を阻害する「掃きだめ」と「既得権益」の巣窟になっている。
大学の講義が「AI講師」になり、企業においては「AI上司」が配下に指令を出す。こういう時代にメンバーシップ型の経営陣などは、ひたすら「時代遅れ」でしかない。
ジョブ型および成果主義型に切り替える以上、メンバーシップ型の管理職はいったん閑職に控えてもらって、プロフェッショナルなメンバーに入れ替えるくらいの刷新が必要になるが、組織とは何かという根源的な問題にも行き着いてしまう。
株主のものだと割り切れば、それでいいのかもしれないが。