他人の不幸を喜ぶ人が(米国で)増えている

ドイツに「シャーデンフロイデ(「Schaden(害)」+「Freude(喜び)」という感情があるそうな。

19世紀の哲学者フリードリヒ・ニーチェの言葉「他人が苦しむ姿を見るのは喜びである」と言ったとか。

現代人に、こうした感情が増えているといい、それには原因もあるらしい。日本人は、とうの昔から「他人の不幸は蜜の味」という感情は、おそらく全国民的に共有している。

そもそもの原因の一つには「社会階級」があったが、最近では、社内の同僚間での競争から同僚が出世を逃せばシャーデンフロイデを感じる人が増えている。

この背景に、エリートの量産があり、人類の歴史でも、社会が崩壊した要因の一つにエリートの過剰生産がある。

コロナ感染でもシャーデンフロイデを感じるケースがある。ワクチンを打ったのに感染したり、ワクチンを打たずに感染して、「それみたことか」と冷笑する。

さらに、相手が嫌いな人間だとシャーデンフロイデは強く感じられるとのこと。あるいは、羨望するような相手が痛い目に合うとシャーデンフロイデを強く感じられる。有名人が炎上するのも、このような背景がありそうだ。

シャーデンフロイデは社会にとって害になるが、シャーデンフロイデを抱く個人にとっても相手の人間性を忌避するので、自己にとっても有害な感情である。

そこから離脱する最良の方法は、「相手の立場に立つ」ことになる。

「優」と「劣」のコントラストがはっきりしていることに多くは起因する。シャーデンフロイデが自分の感情に起きてきたとき、人の不幸を喜ぶ自分に葛藤を感じるように思考を巡らせてみる必要がある。

シャーデンフロイデを感じている自分がいたら、自分が「劣」になりつつあることを自覚するなら、まだ救いはありそうだ。