光合成の歴史
光合成生物の共通祖先を「LPCA(Last Phototroph Common Ancestor)」という。LPCA誕生の真価の概要は、
- バクテリアの祖先は光合成生物であったが、酸素の供給はできなかった
- 光合成生物の共通祖先「LPCA」が誕生し、その直系として今も光合成生物として存続する生物と、間接的に光合成を獲得した非直系の光合成生物が生まれる
- 25億年前に酸素供給能力を獲得し、地球上の酸素濃度が上がることで生命の多様化が起きる
- 18億年前にシアノバクテリアがLPCAの直系として誕生する
- 12億年前にシアノバクテリアを真核生物が取り込むことで、植物が誕生する
光合成の起源は、はっきりしていなかったが35億年前であることがわかった。バクテリアの共通祖先は28億年前に発生したと思われ、バクテリアの祖先が光合成の機能を持ちえた。
バクテリアが進化する過程で多くの系統では、光合成という機能が失われていった。というのは、光合成がメリットだけではなくデメリットもあり、光合成という能力を維持するにはコストもかかった。
光合成というと酸素の供給と考えがちであるが、光合成が誕生した時点では酸素を供給していなかった。ところが、25億年前に酸素発生能力を獲得し、酸素が供給されるようになることで生物の多様性に大きな影響を与えることとなった。
25億年前にはシアノバクテリアは存在しておらず、酸素を供給したのはシアノバクテリアの祖先ということになる。シアノバクテリアが誕生したのは、18億年前であった。そのシアノバクテリアが真核生物に取り込まれて葉緑体になったのは12億年前であった。
地球が誕生し、生命の原型ができてから酸素が供給され、やっとカンブリアの大爆発で、多様な動物が地上を闊歩するようになる。片や億年という時間の単位であるのに対し、ホモ属は100万年程度の単位であり、ホモ・サピエンスに至っては、30万年の前後程度でしかない。
縄文時代が紀元前13,000年とされているので、いまから1万5千年程度前とすると、生物的に弥生人との混交はあったとしても、人類としての進化が大きく寄与しているとは思えない。つまり、文明が違うだけということ。