千葉工大の人工知能とロボット

ホリエモンがロボット博士の古田貴之先生をインタビューするというYouTubeの動画。ホリエモンのインタビューが特にうまいとも思えない内容ではあるけれど、千葉工大の先生の話に、興味がいくつか持てた。

中国製の犬型4足ロボットの制御プログラムを人工知能的に「育てた」結果として動かしている。

人間は、サルのころから何万世代も世代交代し、進化してきた。人工知能として、この4足ロボットの人工頭脳が仮想空間に4096台いて、それぞれにいろいろな「試練」が与えられていて訓練している。これを2万世代、世代交代させる(ただし、突然変異は起きないだろう。それぐらいインタビューで聞いて欲しい)。

といっても5時間くらいで世代交代できるそうだ。

しかし、それはあくまでも仮想空間のことであって、リアルな状況とは全く違う。なぜなら、リアルワールドには物理的制約があるから。

先生が、ドラゴンボールでいうと「精神と時の部屋」といっても石丸伸二なら食いつくところなのに、ホリエモンには食いつきようがないさまは、やはり、先生が予定している範囲内の話しか引き出すことは出来ない。

そこで先生は「異世界転生」という言葉を持ち出す。ここにも食いつきが欲しいところ。「異世界転生」とは、仮想空間で人工知能をいくら鍛えても、リアルワールドでは使えないために「転生」させる方法のことを、先生は言っている。

その人工知能を、どうやってリアルワールドに対応させているのかは、先生は語っていなかったけれど、仮想空間とリアルワールドの違いを数式化しているはずである。ここも、食いついて欲しいところであった。

犬型4足ロボットは、目になるセンサーや障害物を事前に察知するようなセンサーも搭載されていない。指示者は方向を示すだけであるが、犬型4足ロボットは障害に対して自らが判断して段差を登ったり下りたりする運動能力(運動神経と言っている)で、障害を突破していく。

少し高いところから犬型4足ロボットを放すと、フワッと着地する。

ちなみに、ホリエモンのコメントは「ウォホホホ!ヤバ!!こいつスゲーな!」では、先生の研究の強みを持ち上げるだけでしかないのが残念。

特筆すべきこと

ここからが肝心。先生は、「CharGPT」のたぐいは、「結局は脳みその部分だけ」という。

犬型4足ロボットに試練を与え続けていると、ロボットがどんどん生き物っぽくなっていく

今までのロボットって、生き物っぽくないことが、だんだんわかってきた気がする

人がやっている技能のほとんどは、ほぼ100%人工知能を鍛えれば人間を超えられる

体でできることから知能が生まれ(特に言語)、知能があるからできることが増えていく

動きと知能は全て循環して育っていく

このまま人工知能がいくら進化しても限界がある。それは「体」がないから。
(このままの進化ではシンギュラリティは起きえない?)

万能なセンサーはない。生物は目や鼻や耳や皮膚など、全身を使って補っている
つまり、体(そして感情)がない人工知能には限界がある

センサーだけで自動運転をするというには限界がある

もろもろ含めてできないことができるようになった時、クリエイティブなことを人工知能にやらせたい

ChatGPT系はフェイクが増えるだけ

付記

ここに、インタビュー雑感として、実にいい例があったので上げてあったが、長すぎるというのと、ロボットとインタビューに脈絡がないとの指摘があったので、切り取って別の記事にしました。

石丸伸二さんが都知事選に登場したことで、キー局含めてインタビューのレベルの低さが際立つこととなりました。

その中で、石丸さんも褒めていたのがPIVOTの佐々木さんのインタビューでした。

インタビューは、聞き手が事前に相手のことを調べておくことは当然ですが、自分がインタビューすることで、相手が既に言語化しているような内容を聞きだすだけでは不足があって、新たに言語して対応せざるを得ない、つまり、常日頃想起してはいないような内容に踏み込むことで新しい意見を引出すことができるというような緊張感が生まれると思います。

想定内の質問をするようなインタビューアーは、考え方を改める必要があることを考えさせてくれました。