国連の常任理事国とは
2024年9月にプーチンはモンゴルを訪問した。国際刑事裁判所(ICC)はプーチンをウクライナの子供連れ去りに関して逮捕状を出している。主権国家へ踏み込んだことは逮捕容疑にはなっていないらしい。
モンゴルはICC加盟国だからプーチンを捕縛しなければならない。が、ICCは、言うだけで執行する力は持っていない。
2022年にゼレンスキーは国際司法裁判所(IJC)に、ロシアによる攻撃を提訴している。それに対してIJCは暫定措置命令を発出している。
IJCの暫定措置命令には、ロシアは、本年2月24日にウクライナの領域内で開始した軍事作戦を直ちに停止し、また、軍隊や非正規部隊等が軍事作戦をさらに進める行動をしないことを確保しなければならないとしている。
IJCの判決には法的拘束力があるが、裁判所は判決を執行する権限を持っていない。判決に従わない国に対しては安保理は「勧告」をすることができる。
しかし、ロシアが拒否権を保有する常任理事国である限り、ロシアを非難する「勧告」は決して発出されない。ということは常任理事国(第2次世界大戦の勝者)は、国連の決定や勧告に関して恐れることは一切発生しない。
国連という夢のような理想を求める組織において、かつての戦勝国にとっては無法地帯と言える。
ということは、国連は「戦争を防止し、紛争を平和的に解決」することを目的としていない組織に成り下がっている。その原因はアメリカを含めて常任理事国の「拒否権」や「全員一致」のような馬鹿げた「抜け穴」がある限り、無駄な組織としか言いようがない。
プーチンは10月に、ロシア南西部の都市カザンで中国、インドなど36カ国の首脳を集めて、BRICS首脳会議を開催している。グテーレス国連事務総長も参加しているから、あきれたものだ。
なにをしても多いバリの戦勝国であるロシア(旧ソ連)に対して日本・ドイツ・イタリアはいまだに「悪の枢軸国」としてさげすまされている。それでも35.9億ドル(約5,400億円)もかすり取られている。
西側に対してロシアを積極的に支援するベラルーシ、シリア、イラン、北朝鮮、中国にインド、南アフリカ、トルコ、サウジアラビアでドルではない経済圏を作ろうとしている。
このことは、アメリカ・イギリス・カナダ・フランスなどの国連での発言権を低下させることにつながる。日独伊は西側というポジションには未来永劫なれないし、させないのは中ロに限らず米英仏も同様。
国連は改革なしには、意味も価値も希薄になっていくことは間違いがない。とはいえ、日独伊は何時まで経っても「敵国」ということ。