思考の整理

図書館に「思考整理」というキーワードで検索すると、とりあえず14冊ヒットしました。

「メモの書き方」「ノートの書き方」「トヨタで学んだ」「紙1枚プレゼン」「マッキンゼーロジカルシンキング」などなど。

外山滋比古さんの「思考の整理学」という本が中古で出ていたので、とりあえず買いました。

さて、「思考の整理」とは、どういう場面に必要になるでしょうか? 当然、思考が混乱しているから「整理」しなければならないわけです。何にも思考しないのであるなら、思考を整理しようもないことになります。

となると、いくつもいくつも思考しなければならない状況において、優先順位を付ける場合。あるいは、対立している思考の内容において、どっちを生かすかのような場面においても、思考は整理しなければならない。

しかし、もっとミクロで考えてみると、試験問題などで、難しい問題を解くために、過去に習った様々な学習要素から思考を整理することで、解答の糸口を見つけるようなことだって、思考が整理できなければ解答にたどり着けない。

孫子は、戦争するなら「道」「天」「地」「将」「法」に対して思いをいたせという。「道」「天」「地」は地形や天候など、人為的にどうすることもできない条件をよく考えろと諭す。

「将」に関しては「智・信・仁・勇・巌」で選べという。「法」は規律。

これらをよくよく考えてから戦争をしなければならない。なぜなら、結局は総力戦にならざるを得ないことの方が多く、その得失を考えたうえでなければ戦争などをするべきではないというのが孫子にとっての「思考整理」になる。

そもそも「思考」とは何か? 心的な情報の操作を指し、問題解決や推論、意思決定、創造などを含むという。しかし、「記憶」が無ければ、思考を支えることができない。

ということは、少なくとも「記憶」が必要な場面で的確に想起されるように整理されているか否かで思考の速度や結果に大きな違いが出る。

つまり、「思考整理」の前に「記憶整理」あるいは「情報整理」ができていることが、思考整理を支持していることが前提になっている。

詳しくは、本が届いてからの話になるが、YouTubeでみたヨーグルトケーキの作り方を実践して「思考整理」をしてみた。

2軸四考

レストランもしくは食堂を対象にして思考を整理する。

「うまい」は1点。「安い」は1点。「まずい」は0点。「高い」も0点。

麻布とか六本木で、髯はやしてうんちく語るオーナーシェフのお店に行ったことはないけれど、座るだけで何万円も取られるようなレストランで食事をするなら「高くてうまい」が前提となる。仮に食べて、うまくなければ自分の味覚が悪いことになる。

「高くてうまい」のは当たり前。「うまい」の1点ゲット。

一方、下町の食堂で、「安い」を軸に店を探すとする。

「安くてまずい」とすると、「安い」で1点ゲット。安いんだから多少不味くても我慢しろというあたり。

仮に「まずい」としても、麻布・六本木で「高くてうまい」店と思考価値は同じ「1点」になる。

もし、安くてうまければ、2点ゲットになりうるが、高くてまずければ0点になってしまう。

つまり、飯を食うなら「安い」を軸に店を探すことが、リスクを最小化しているということになる。逆に「高い」店だと、うまくても1点で、もし、まずければ0点になってしまうという「思考整理」であったというお粗末。

「思考整理」とは言うけれど、まず、客観的視点を持つこと、つまり、思考の要素を整理して取捨選択することから「視点」を持つことになる。

レストラン・食堂でいうなら、「安さ」を軸にすることがリスクを軽減できることが分かったというような流れで、とりあえず整理してみることから始めるべきことになる。

「うまいーまずい」「高いー安い」を「緊急度高いー低い」「経済効果高いー低い」を2軸にしてみたら、「緊急度高いが経済効果低い」と「緊急度低いが経済効果高い」の選択になると、何を優先するべきかになってくる。一般的には「緊急度」を優先するべきと判断することとなる。

2軸で4つに分類することで「思考」を「四考」することができるというわけです。