戦後レジームからの脱却とは何のこと?
レジーム(仏: Régime、英: Regime)、又は、体制とは、例えば政治の文脈では、統治・政府の形態・構造そのもの(政体・政治体制・政治システム・統治機構)、或いは、その運用・制度や社会との相互作用などを規制・統制する、一連のルールや社会的・文化的な規範などを言う。
現代の日本で戦後レジームの意味するところは主に、第二次世界大戦での日本の降伏後、GHQによる占領下で出来上がった日本国憲法を始めとする憲法や法令、テレビや新聞などのマスコミ、経済や金融では通貨発行権や通貨管理権の所在を意味する言葉として使われている。
安倍政権以来、とみに憲法改正と言われる。そして、改正において国民投票によるとのこと。「憲法」自体、学問として存在しており、制定法の上位概念である憲法改正を、国民がどれだけの理解と知識に基づいて「Yes」あるいは「No」とするのかは不明。結局は、テレビや新聞で伝えられる範囲のにわか知識でしか判断のしようがない。
憲法改正といっても、103条もあって9条だけを改正することを「憲法改正」といっているわけでもないとは思うが、自衛隊を「軍隊」にしなければ違憲のママだというようなことを言う人もいる。制定法としては「自衛隊法」というのがあるので、この法律に準拠さえしていれば、少なくとも違法ではない。違憲となると、特別な支障があるのかはわからない。
逆を言えば9条を改正すれば、日本が安全になり、他国が攻めてきにくくなるような具体的な根拠が示せるのかも不明。
俗にGHQに押し付けられた憲法だという話もあるけれど、戦争やって負けて占領されたのなら戦勝国が憲法を書き換えるのは別に珍しいことでもない。1951年に再び独立した時に、どれだけ自主憲法への希求があったのかは不明(それなりにはあったらしい)だが、具体的な話にはならずに今に至っている。
欠陥のある憲法で戦後77年を過ごしてきたとも言えるし、さしたる欠陥がなかったから77年平穏にやってこられたともいえる。
抑止力を持てば「安全」であると言い切るためには、敵国を消滅(せん滅)させるくらいの敵地攻撃能力がなければ抑止力になるとも思えない。敵が中国なら極超音速ミサイルで飛ばせる水爆100発位も持っていれば、攻めてこないかもしれないが地球はずいぶんダメージを受けるし「死の灰」が日本にすさまじく降ってくるから、あまり利口なやりかたではない。
「外交で」という人もいるかもしれないけれど、かつて「話せばわかる」といったけれど撃たれて死んだ人もいた。話せばわかる人ばかりなら犯罪も戦争もとっくになくなっている。
個人的には、憲法を改正するならまず、「議員の立候補年齢を65歳を限度とする」「総理大臣の任期は衆議院2期を限度とする」ことを明文化してほしい。
大臣が年寄であることも世界で一番かもしれないが、とにもかくにも官僚の書いたペーパーを読まずには答弁ができない政治家って、どこかがおかしいのであって「戦後レジーム」脱却以前の問題として「政治家(と官僚のタッグ)の低レベル化」からの脱却と政治の茶番化をやめてから、憲法改正に取り組むことがまっとうな順序でしょう。
その昔(平安時代)に「傀儡子」という人たちがいた。人形を操ることを仕事にしていた集団。つまり、有権者は選挙を通して傀儡子(官僚)が操る政治家という「木偶」を選んでいるだけのことでしかない。
戦後レジームのなにが国民にとっての不利益で、脱却すればどのように国民利益が増大するのかが示されていなかった。つまりは単なる個人的なイデオロギー(憧憬)でしかなかったような気がする。
政治家及び官僚は国家・国民の利益を最大化するのが本分であり、個人的な願望を満たすために権力を利用するのは昭和世代でとどめて欲しい。つまり、今の日本で一番欠如しているのが「若返り」であるということ。