日本が給料の上がらない貧乏な国になった根本原因
「実質実効為替レート」で見ると、51年ぶりの円安 とのこと。「実質実効為替レート」とは何かというと、自国の通貨は他国通貨と比べてどのぐらい購買力があるかを示すレートのこと。
このことは日米だけで比較してみると、単にドル円だけでは比較にならず、双方の物価の影響を加味しなければならない。双方の物価を加味したレートが「実質実効為替レート」になる。
名目では1970年代は1ドル300円台だったものが136円になっているので2倍以上円高になっているが、実質で比べると1970年代とほとんど変わらないぐらいの円安になっている。
日本の物価は海外に比べて相対的に7割以上下がっていて、相当なデフレになっていることが購買力の低下につながっている。これをインフレ率を上げるためには利下げしかない。ここで、利上げをすると、さらにデフレを招き購買力がさらに下がる結果となる。
それを「購買力平価」で見る。よくいわれるのが「ビッグマック指数」という尺度。アメリカで4ドルで売られているとして日本で400円ならば、1ドル100円になる。5ドルならば1ドル80円になる。
個別の価格ではなく国の商品・サービス全体で比較する尺度が「絶対的購買力平価」で2020年時点では1ドルが96円でないとアメリカと同じ購買力にはならない。にもかかわらず、現在136円台なので、アメリカの7掛けの購買力しかないことになる。
日本でバブルが崩壊した時に欧米のリーマンショック時のように金融緩和をすればよかったのに引き締めを続けたことで円高が続いてしまった。アベノミクスで円安方向に向かったものの消費税増税をしたため、経済が伸びることができなかった。
円安で上場企業の業績が上がり、株価は上がったが現実には国家として購買力が低下している。どうやって経済を活性化させながらも、財政・金融を正常化させていくかが、これからの日銀や政府のかじ取りの腕の見せ所になる。
解決策は、金融政策ではなく財政政策しかないような気がする。端的に言えば「バラまき」をやるか減税。