日本人の歯並び
いまだに世界を神が作ったという人たちがいるという。荘子は、「なら、その神は誰が作ったのか」という。
キリンの首が長いのは、木の上の葉を食べるためだという。進化に目的があるという話。たまたまの突然変異で首が長くなったとするなら、キリン以外にも首の長い動物がいるはずだし、キリンだって、どんどん首が長くなれば、もっと高い木の上の葉を食べることができるけれど、概ね、今のキリンの首の長さで納まっている。
結局は、すべての動植物は進化の結果であって、自然が選択している。自然が選択しなければ、いなくなっている。
脳の起源は、およそ5億年前のホヤに出現した「神経管」にあり、魚類・両生類・爬虫類では脳の大部分を膨らんだ神経管である「脳幹」が占め、鳥類・哺乳類になると「小脳」と「大脳」が巨大化し、霊長類で大脳に新皮質が発達して初めて高度な知性が生じた。
トカゲの脳に大脳辺縁系を継ぎ足したものがネズミの脳で、それに新皮質を継ぎ足したものがヒトの脳である。
人間に意識が生まれ知性が生まれたことで、人間が異常に繁殖し自然を破壊している。人間が進出した地域でいなくなった動植物の数は決して少なくない。
それは人間の知性がすべて司っている。
植物は太陽と水があれば栄養を摂取し、酸素を輩出してくれる。人間以外の動物はメシを食べて繁殖するためだけに生きている。
日本人のルーツは、約1万5000年前から日本にいた「縄文人」と約2800年前に大陸から渡ってきた「弥生人」の混血にあると言われているが、3系統あるとかいう意見もあるが、先史時代の常識として「縄文人」と「弥生人」によって、日本人が形成されている。
古墳時代以前の日本人は、顎の骨がしっかりとして歯並びがよく、側頭筋や咬筋が発達していた。硬いものを食べなければならなかったからである。
古墳時代以降、日本人は柔らかく加工された食物を食べるようになり、顔が「華奢」に変化してきた。中世から近代になると、歯槽骨が退縮し、すべての歯が並びきれず、いわゆる「出っ歯」の傾向が強くなった というが、有史以来の西洋人だって、やわらかいものを食べているが出っ歯は少ない。
同じアジア人でも中国人や韓国人の足は比較的まっすぐであるが、日本人の足でまっすぐな人は少ない。日本人は正座をするからということをいう人もいるけれど、正座をして足が曲がっても、それが遺伝するとも思えない。
日本の気候風土が、そういう形質の人間を選択してきたからなのか、他に原因があるのかはわからないが、生活習慣よりは遺伝的形質の色が濃いのだろう。
歯はお金をかければ、ある程度矯正できるし、甘いものを好んで食べなければ虫歯にならない。タバコを吸わなければ野にがつかないから、ある程度自己防衛は可能だが、それを後世に伝えることはできないから、できることはお金を子々孫々に残してあげることだ。