機密文書の廃棄とは
2003年に、ある自治体で市民の給与職が記載され税務署類が路上に散乱するという「事件」が発生した。原因は、廃棄を請け負った産廃業者が段ボール箱を落としたのが原因だった。
このように、廃棄の過程で機密情報(それが紙媒やCD-ROM、DVDなどであるなら)が漏洩する事態は過去にも起きたし、これからも起きるであろう。
電子データの場合は、ハッキングより内部犯行の方が多い。といっても内部と言っても業者の下請けの下請けの下請けの孫請けの個人事業者あたりが、暗躍することが多い。
「文書管理」とネットで調べると、必ず登場するキーワードが「ライフサイクル」という言葉になる。そして最終の段階が「廃棄」であるとしている。
文書管理の最終段階は「処置」と言う言葉であるべき。「処置」判断として「廃棄」か「保存延長」か「歴史的文書(アーカイブ)」かの判断をする。
廃棄した場合は、廃棄リストを作成することはもとより、文書管理システムにおいては、廃棄記録として残しておくべき。その際に、廃棄証明書と連動させる必要がある。これは正当に廃棄したことを立証する必要があるから。
パルパーという大型の設備を持っている溶解業者で廃棄をしてもらうなら、バインダーの金具やフラットファイルのプラスチック、ホチキス、綴じ紐、クリップ類、ガムテープ、カーボン紙、感熱紙、磁気コーティング紙など、段ボール箱に入れたまま溶解することができるとのこと。
かつて、自衛隊がイラクや南スーダンに派遣されていたときに作成した日報が、すでに廃棄していて存在しないと防衛省・自衛隊が説明していたのに、廃棄されていなかったことがあった。もし、この日報が外部に漏れていたら、二重、三重の大問題となるところだった。
機密書類の廃棄に関しては、通常の書類の廃棄とは別の扱いにしなければならないという教訓を与えている。