無能な人が上司にいること

いまの日本に多い「ダメ上司」には3タイプあるそうだ。

1つは、自分が与えられたポジションに対して無能であることを自認しているひと。しかし、ポジションが持つ権力にすがり、必要以上に行使しようとする。

2つ目は、年功は積んできたが、時勢の変化には追い付けていない。いきなりITとかDXと言われても、自分が何をすることが求められているのか分からないにも関わらず、自分が不要になっていることを認めようとしない。

3つ目は、人脈つくりには長けており、さらなる上司の受けはいい。自分が掌握する部門の効率アップを至上とするよりは、他部門の上昇志向や行動を阻害することに自分の価値を見出そうとする。

こんな上司は組織と名がつく以上、日本中にあふれている。特に官公庁では、この3つ以外の上司はいないと言っても過言ではない。

人口減少の警告本である「未来の年表」にも、「終身雇用」「年功序列」は即座に辞めなければ日本の今後に成長は望めないくらいの勢いで書かれている。

自分の経験ですが、若かりし頃、奉職していた職場では課長以上は全国を股にかけて2~3年で移動していきました。有能か無能かの判断はよそに置いて、反りが合うか合わないかで考えます。反りが合わなくても2~3年で移動していくので、その間、その上司に合わせるように努力すればいいだけの事でした。

しかし、考えてみると「DXが求めていることは、デジタル化を追求することで組織を改変できるでしょう」ということに尽きます。そこで一番の障害になるのが、「終身雇用」であり、「年功」で階段を上がってきた上司であることは間違いがありません。

2020年10月の「キーマンズネット」というとことの記事に「日立の人事戦略」というのがあり、「世界約30万人の社員のうち日本以外のほとんどの地域でジョブ型雇用が基本だ。社員の半数を占める日本だけが別の雇用形態だった」とあります。「別の雇用形態」というのは「メンバーシップ型雇用」のことで、普通に日本語で言うなら「終身雇用&年功序列」型の雇用形態に他なりません。

この雇用形態が30年間の停滞の一因になっていることは事実のようです。

記事はとても長いので、いずれ、自分なりにまとめてみようと思っています。

「ジョブ型雇用」で不可欠なものが「JD:ジョブディスクリプション」と「マニュアル」になります。とかく雇用の方が刺激的な内容になるので重点が置かれますが、組織を成り立たせているのは人材よりは、むしろ「ドキュメント」であることを50年前のアメリカの組織論の本では指摘しています。

人材は入れ替えても組織は存立する。新たに人材を雇用してもドキュメントがあれば、組織を機能させることは出来るというのが「組織」のあるべき姿だそうです。

ジョブ型雇用において流動させるべきは、専門職もさることながら経営陣も、その対象としなければ組織変容は適いません。

アマゾンでは、さしあたり管理職を大幅にレイオフして組織を平板にしていくそうです。