管理職の給料

「人手不足」であるのに「人余り」になっているそうだ。ミスマッチが起きているらしい。

取り巻く日本社会が悪いとか会社が悪いと言っていても始まらない。結局は自分がどのように生きたいかで決めるしかない。

管理職になるほど、付加価値を生むことが難しくなる。管理職として日々忙殺されているとしても、その忙殺されている職務が、いったいいくらの利益を生み出しているのかを考えなければいけない。

年収1000万円の人で、1日8時間、月20日働いているとしたら、年間1920時間の労働です。それで年収を割ってみると、時給は5208円。日給にしたら4万1664円です。

日経ビジネス

自分の職務が、最終的にどのようにして利益貢献につながっているのかを考えない幹部が増えだすことから、組織は知らず知らずのうちに若さを失い、退嬰していく。

日給4万円の価値を生み出していなければ、近い将来、人事体制がJob型にでもなれば早々に配転の対象になる。

違う視点で、同じことを考えてみると、自分が組織グループの上層部にいるとして、もし、自分でなければ今の売上、今の利益が出ていないかを考えなければ自分の価値は評価されない。

どこのテレビ局とは言わない。なぜなら、「帝王」とか「天皇」が君臨している組織では、「帝王」「天皇」に好まれることが延命の重要なポイントにでもなっているなら、「日産」のようなことになると真っ先に切られてしまう。

日本では「生産性」が低いといわれるようになって久しい。ここでいう「生産性」となると1人当たりのGDPになるが、企業で言うなら、とどのつまり一人当たりの利益でしかない。

さしたる改善できないのであれば、まず、残業を含め経費を切り詰めていく。しかし、それでは利益体質が健全化できるわけではない。不健全であるから生産性が伸びないのである。

その原因は人事制度だけではないのは自明のことである。東芝やシャープのような経営判断のミスもあれば、日産のような時流に乗り遅れたブランド力の低下などもある。

とはいえ、真っ先に粛清の対象になるのが利益貢献が少ない管理職になる。管理職年齢となると転職も難しい。

世の中は「DX」「AI」とトレンドがどんどん変わっている。深く知る必要もないけれど核心的エッセンスだけは押さえ、自分なりに常に意識することが求められていくことが、企業人としての延命になる。

ついでをいうなら、人材の流動化が世間的な認知が上がれば、よそで自分の能力なり経験を活かせるチャンスだって増えるだろう。それには解雇規制を緩和しなければならないし、それを受け入れるセイフティネットを充実させなければならない。

社会変革が起きない限り管理職にとって、ますます厳しい時代になって行くことだけは間違いがない。仮に、企業から放逐されても最低で3年は食いつなげる資産を持つことが、次なるチャンスに対して有利に展開することもできる。

常に、前向きの努力と後ろ向きの備えを両立させておくことが、これからの管理職社員の生き方になる。