話題のグリーンランド
かなり北にある。「世界最北の陸地」「世界最大の島」だそうである。面積は日本の約6倍弱ある。カナダとハンス島という小さな島を巡って係争していたが、2022年に分割領有することで妥結した。
このハンス島を巡って「ウィスキー戦争」と表現することもある。それは、まず1984年にカナダ軍が上陸してカナディアン・ウィスキーのボトルを置いて挑発したことに端を発しており両国の要人が上陸する都度に置き土産としてお酒を置いてくることが慣例となったことによる。島には資源もなく人も住んでいない。
1721年から1953年まではデンマークの植民地で、79年5月には自治権を獲得。歴史的、地理的、また国家としての特殊性からデンマーク王国の一部としての自治政府が置かれ、広範な自治が認められている。2009年には、自治法の改正と自治協定の締結が行われ、政治的な権限と責任がデンマーク政府からグリーンランド政府へと移譲された。
全島の約80%以上は氷床と万年雪に覆われており、氷の厚さは3,000 m以上に達するところもある。居住区は沿岸部に限られる。現在、予想よりも早い速度で氷床の融解が進んでいる。
住人は、4000年ほど前にシベリアから古エスキモーが移住していた。姉理科先住民やヴァイキングが住み、比較的最近になってイヌイットが住むようになった。sデンマークの支配が及ぶようになったのは1917年以降である。1973年、デンマークのヨーロッパ共同体(EC)加盟とともに、漁獲量に関する規定がデンマークとして適用されたことに反発して、1975年5月にデンマークの自治領となった。
1985年以、グリーンランドはECから離脱している。しかし、グリーンランドの住人はデンマーク国籍、市民権があるためEUの市民権を持っているが欧州議会などでの選挙権はない。
グリーンランドを公とするのはトランプ以前には、トルーマンが1億ドルで買おうとした。アメリカがデンマークから買ったものには、1917年にインド諸島にあったバージン諸島を2500万ドルで買っている。
グリーンランドのレアアースを手掛けるタンブリーズ・マイニングが資金繰りに苦しんでいるところへ中国企業が中間業者を介在させて購入することを米国とデンマークの当局が阻止し、ニューヨークに拠点を持つ、クリティカル・メタルズにタンブリーズ。マイニングを売却することを決めた。
レアアースのポテンシャルでは、グリーンランドは未開発地域においては世界最大規模のポテンシャルになっている。レアアースはウランに付随することが多く、イヌイット友愛党は「ウランゼロポリシー」を掲げている。
デンマークからの経済援助に頼り、漁業が主要産業であるグリーンランドにとってレアアースは簡単には解決できない問題である。
資源のない日本において原発稼働をどうするかと似た構図である。