選挙ポスター公費負担制度とは

直近では、石丸伸二さんが市長選のポスター代金で印刷会社の請求金額が公費負担を大きく超えていた問題で裁判になり、石丸伸二側が全面敗訴している。

選挙に立候補した者のポスター代金を公金で賄う制度は、資金が少ない人でも立候補できるようにしているもの。国政選挙の場合、特定の式によって選挙区ごとにポスター1枚当たりの上限単価を計算、その単価に各選挙区内の公設掲示板数の2倍を乗じて出された総額が上限になる。

なぜ、2倍の枚数にするのかにも理由があるのだろうけれど、意味不明。

2017年10月の総選挙で当選した東京都選出の衆院議員37人を対象に調べた結果、萩生田光一氏ら9人が、公費負担額の満額を請求していた。満額に限れば9人中7人が自民党。立憲民主党は海江田万里と無所属が一人ずつ。

ポスター代の請求額が上限の50%に満たなかった者も12人。自民党7人、立憲民主党3人、公明党と日本共産党が1人ずつ。長妻昭氏(7区・立憲民主党)、22.4%の鴨下一郎氏(13区・自民)、23.1%の平沢勝栄氏(17区・自民)は20%の前半程度の請求。

そんな価格でポスター作った印刷会社では、「うちの4倍以上の金額で請け負っている業者さんがいるとか。業者と議員さんがどんな話し合いをしているのかも」とのこと。

東京選出の衆院議員の場合、250円程度から1200円以上まで5倍近い開きがあるようだ。

要するに公選法自体に問題がある。選管には“捜査”の権限がない。司法は権力に忖度する。

最近の人事で女性の検事総長が誕生した。彼女は特捜として自民党の裏金捜査を指揮したそうだ。そして、全員おとがめなしのご褒美として検事総長のポストをゲットしたというような悪い噂を流している人もいる。そこで、最近、検察は、自民党に忖度などしていないという「やる気感」を出して堀井学議員と広瀬めぐみ議員の捜査で頑張っているフリをしている。

立憲民主党の江田議員の話では、国税も自民党議員を篭絡するために手心を加えるなんてことはありうるとYouTube で語っていた。司法も国税も、政治屋と一蓮托生。これを許しているのが有権者で、有権者も一蓮托生ということ。

白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき

ここでいう「魚」は志があったはずの議員であるが 政治屋になっていく過程で「田沼大好き」な政治家に変節していかないと、政治屋を続けられなくなる。これは政治屋だけに限ったことでなく、官僚屋にもしみ込んでいて、いまや体質となっている。

自民党を壊すと言って選挙に勝った政治屋がいたが、自民党を壊すとか、政権交代するとかのレベルではなく、官僚機構含めて破壊するぐらいの力と見識を持つ政治制度の作り変えぐらいが必要になっている。つまり政権交代のような「改善」ではなく、若い世代によって全てをスクラップしてビルドしなおすぐらいのエネルギーが求められているようなタイミングに石丸伸二が、「改革」のシンボルとして登場してきたのではないだろうか。

ちなみに、カイロ大学主席卒業の女帝が唱える「大改革」とは、1.0だろうが2.0だろうが3.0だろうが噴飯物のお笑いネタでしかない。あるいみ、こちらの方が政治のエンタメ化の先達と言えそうだ。