量子コンピュータの概略と現状
量子の何たるかを理解することは、通常人にはおよそ不可能と思われるが、そうした世界が現実にあって、一つの方向としては「宇宙」の研究においても不可欠な要素であること。もう一つの方向として、北米を中心に「量子コンピュータ」の開発が始まっていることが事実としてある。
現状のコンピュータの原理は、「0」か「1」かというビットによる演算を行っている。一般的には「ノイマン型」とも呼ばれており、8ビットから16ビット、32ビット、64ビットとビット数が増えてきた。
8ビットの場合なら「2の8乗=256バイト」であったものが「2の64乗」になると「18,446,744,073,709,600,000(千8百京)」のように大きな数字を整数として演算が可能となってきた。
その反面、CPUの集積度の限界に近づいてもおり、さらなるコンピュータの演算能力の向上を求めるためには、全く新しい理論が必要になってきている。
最近、「GPU」というコンピュータチップに脚光が集まっている。そんな背景から「GPU」の主力メーカーであるNVIDIAという会社の株価が大幅にあがってる。「GPU」は、主としてグラフィックスを描画するのに使われている専用のチップであったが、昨今では最近のスーパーコンピュータで活躍している。
「CPU」と「GPU」というチップの違いについてわかりやすく説明すると、「CPU」が考えて「GPU」に命令を出す。「GPU」は命令された処理を数千のコアに分散して処理をする。
量子において重要な語彙として「多世界解釈」というのがある。漢字で書くとなんとなくわかるような気もするけれど、説明をいくら読んでも理解はできない。「トンネル効果」という語彙もある。これは量子が粒子と波動の二重性を持つことの説明に使うらしいけれど、これとて理解不能である。
量子コンピュータは「0」と「1」が重なっていることを利用して並列処理をするのだそうで、それが正しく動作するようであれば「多世界解釈」が正しいとする証拠となるらしい。
2024年1月7日現在、量子コンピュータは研究開発の初期段階にあり、実用化には至っていない。しかし、世界各国の政府や企業が研究開発に力を入れており、今後の進展が期待されている。
量子コンピュータの現状としては、以下の課題が挙げられる。
量子ビットの数や安定性の向上
量子誤り訂正技術の開発
量子アルゴリズムの開発
量子ビットの数や安定性の向上が進めば、扱える問題のサイズが大きくなり、計算の精度も向上するはずである。量子誤り訂正技術が開発されれば、量子ビットのエラーを訂正できるようになり、より実用的な計算が可能になる。量子アルゴリズムの開発が進めば、量子コンピュータの性能を最大限に引き出すことができる。
2023年には、日本企業が開発した量子コンピュータが「量子超越」を達成したとのこと。
「量子超越」とは、量子コンピュータが古典コンピュータでは実用的な時間では解決できない問題を解決できることを証明すること。
しかし、人間の移動速度は「徒歩」が一番最適じゃないかと思っている。なぜ、徒歩が一番最適化というと、思考速度が徒歩に一番馴染んでいる気がするから。
そういえば上田秋成の「菊花の約」で「魂よく一日に千里を行く」として自刃する話があった。単に早く計算するのではなく、信義をもまるために命を賭すような考えのほうがしっくりくるのは歳のせいだろう。