ベンチャー企業における人材とは

ベンチャー(venture)とは、辞書では「冒険的企て」「投機(的事業)」「冒険的事業」のように説明されています。一般的には、新しく事業を興す「起業」に加えて、既存の企業で あっても新たな事業へ果敢に挑戦することを包含する概念のようにとらえられています。

「ベンチャー」とすることで大方は「ベンチャー企業」を意味しておりますが、明確な基準や定義はないようです。独自のアイデアや技術をもとにして、今までになかった新しいサービスやビジネスを展開する企業を総称しています。

なかでも、成功を収めて「メガベンチャー」と呼ばれる企業もあり、これまた明確な定義があるわけではありませんが、概ね、従業員数500人以上・時価総額500億円以上を満たす企業はメガベンチャーと呼ばれるようです。

ちなみに、楽天、サイバーテック、DeNAなどは西暦で2000年頃に創業されているのでおよそ四半世紀になりますので、この辺りを基準に事業内容の「冒険」性の高さによって「新興」か「既成」かの分類ができそうです。

「ベンチャー」が「新興企業」であるなら、そうじゃない企業は「既成企業」ということになります。どこでボーダーを引くかですが、これとて基準があるわけではありません。ゆえに勝手なことを言えます。

定年を迎える人が40年近く勤務していれば「規制企業組」と言えそうです。同じく定年を迎える人がスタートメンバーであって、勤続が25年以内であるなら業態(新規性など)によっては「新興企業組」に属すると言えます。

「新興」か「既成」かは、単に年数だけのことではなく、新興であり、かつ急成長しているのですから、人材も新規採用だけでは賄えないことになります。中採用の基準として「Job型雇用(つまり専門性)」を中心に雇用していくのでしょうし、年功がないところに中間管理職も必要になるわけで、組織構造や人事制度も規制企業とは異なざるを得ないと思います。

新興企業での勤続年数としては古参で25年ですから、帰属意識(アイデンティティ)や忠誠心は、それなりに涵養されているのだと思いますが、直近で入社する社員は新卒でも、中途でも忠誠心あるいは組織依存度は希薄で、キャリアを積むことと適当な仲間を見つけるくらいの気持ちでの参加も少なくないでしょう。

DeNAでは、起業するメンバーが多いということですが、それがDeNAの社風(起業支援)であるとしても、とどのつまり、生涯定年までいる気で入社していないという背景もあることと思います。

いい意味であれ、悪い意味であれ「年功序列」による生涯安定型の職場風土にはなっていないことと思われます。

業態は別としても「新興企業」ならではの新規制(創造力)を、いつまで持続させて行けるかにも限度があるでしょう。逆を言えばGAFAには、常に社会が必要とするであろう新規サービスやプロダクトを生み出す力がありますが日本のメガベンチャーでGAFAに匹敵するようなイノベーション型の企業は見当たりません。

楽天にしてもDeNAにしても、発端となる事業の新規性は「発想(アイデア)」によるものであって、技術的、ソフト的、ハード的なイノベーションにはウェートが置かれているようにも見えません。

これは、イノベーションに対する経営的限界があるような気もしています。

結局は、資金力によるM&Aによって巨大化を維持することが多くならざるを得ないでしょう。要するに投資企業化していくのかなと思うのですが、今後が見ものです。