6人いれば世界とつながる
1960年代にスタンレー・ミルグラムという心理学者が、ある実験をしたところ、アメリカに何億の人がいても、6人を介することで誰ともつながることを発見した。
これを「6次の隔たり(six degree of seoaration)」と呼ばれるようになった。
コーネル大学で1998年についに、その関係性を特異なグラフ(ノードとリンクの集合)にすることで表現できた。
このネットワークを「狭い世界(スモールワールド)」と称し、いろいろ調べていくとwebのネットワークも、脳内のニューロンのネットワークも、同じような組織構造を持っているとのこと。
例えば50の町があったとして、その町全てを繋ぐための道路の数は1,225本になるそうですが、現実には98本の道があれば、どこかを経由して、どの街にも行けるらしい。
ところが、必ず歴史の中で栄える町と寂れる町ができてしまう。寂れる町は栄える町に経済的支援を願わなければならなくなり、栄える町は、ますます栄え富が集中してくる。
ニューロンが何千億あっても、それなりに思考や記憶が形成され、必要に応じて取り出せるのも、このような原理があればこそとのこと。
しかし、栄える町のような役割を持つニューロンがあるとすると、ノード役のニューロンが破壊されると、情報が滞ってしまいますが、実際には冗長性があってそういう簡単な構造にはなっていないらしい。
通常は、何かをするために発火したり抑制したりしているニューロンは30%だそうで、残りのニューロンは冗長性のためにあるらしい。その30%は、単に確率で選ばれているという。その冗長性がなければ敵から身を守ることができないわけで、火事場の馬鹿力などは、何かの拍子に30%以上のニューロンが発火したのかもしれない。根拠はないけれど。
人間社会が介在すると、そこには必ず「偏在(別名:利権)」が生じる。ということは、人間は「平等」な生き物ではないことが明らかに証明されている。単純に25を7乗すると60億になる。しかし、人間社会では重複が発生するので7乗ではあまねくすべての人にはつながらない。一人の人が25人以上に伝達する人が不可欠になる。
会社で考えると係が10人。その係が5つで課。課が5つで部。部が5つで会社組織になるとすると、部長5人、課長25人、係長125人で1,250人規模の組織を155人のマネージャで管理できることになる。情報の伝達は6人づつ4次で1,296人に重複なしに伝達できる。
ノード役を設置すれば、6人ずつの小グループにしてノードとリンクをうまく調整することでマネージャの数を大幅に減らすことが可能になるはず。
人材の流動化を上場企業の幹部が言い出しているけれど、その前に組織構造をかえることが先決。そのことによって、必要な人材のスキルが変わってきて、流動化が最適な選択になっていく。
そうしたことを含めて、まず、経営幹部の爺様が流動していくことが真っ先に行われるべき。