早まる女の子の思春期

思春期が始まる平均的な年齢は、20世紀以降、下がり続けており、中には6〜7歳から胸の発達が始まる女の子もいる。

こうした早熟は、体だけでなく心にも重大で深刻な影響を及ぼす可能性があるらしい。

2020年に発表された論文によると、10年ごとに3か月ずつ早まっているとのこと。

女の子の場合、思春期の最初の兆候は乳房の成長であり、月経の始まり(初潮)はそのあとに起こるとのこと。米国の女性7万1341人のデータから、初潮を迎える年齢が早まり、生理周期が規則正しくなるまでにより長い時間がかかるようになっていることがわかった。

11歳未満に初潮を迎える人の割合は16%に達していた。

思春期が始まるきっかけとなるのは、脳の視床下部による「性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)」の分泌だ。

GnRHは脳下垂体を刺激して「黄体形成ホルモン」と「卵胞刺激ホルモン」を分泌させ、思春期の開始を促す。エストロゲンとプロゲステロンの分泌が始まり、それが乳房の発達、陰毛の発生、月経の開始、体型の変化につながる。

その背景として「食事」の変化が考えられる。動物性タンパク質や高度に加工された食品が増えていることの影響は無視できない。

スナック菓子、デザート、揚げ物、ソフトドリンクを多く含む「不健康な食事」の摂取は、女子の思春期早発症と関連があるとの報告もある。また、画面(スマホなどの)を見ている時間の増加も挙げられている。

なんにせよ、生殖機能の発達の変化は、将来的に体や感情へ影響を及ぼす可能性がある。

早く思春期を迎える女子は、速いスピードで成長し、その後、早めに成長が止まるという報告もある。乳がんのリスクも高まる。精神的には成熟が早まることから、同じ年齢の子らとの乖離を感じてしまうこともある。

ピグミー族の性成長が早いという話を聞いた覚えがあるが、ピグミー族の平均寿命が30~40歳と短いこともあって種を守るために成熟が速まっているらしいが、先進国では寿命が延びているのに成熟が速まっているのには明確な原因があるはず。

おそらく、主としてアメリカで使っている食肉用のホルモンの影響は無視できない気がする。