血液型と性格
血液型と性格には学術的な意味での相関は無いと言われています。しかし、血液型と感染症の関係ではO型の人はノロウイルスに感染しやすいという研究があるようです。A型は新型コロナの感染や重症化のリスクが高いという研究もあるようですが、そうではないという研究もあって、関連はそれほど明確ではないようです。
A型には「A抗原」、B型には「B抗原」、AB型には「AとBの両方の抗原」があり、O型にはどちらの抗原もありません。一方、血液を凝固させて血小板や凝固因子を除いた血清を調べると、A型にはB抗原に反応する「抗B」、B型にはA抗原に反応する「抗A」、O型には「抗Aと抗Bの両方」の抗体があり、AB型にはどちらの抗体もありません。
現役医師が断言「血液型と性格は関係ないし、自分の血液型を知る必要もない」 Newsweek
よって、A型の血をB型には輸血できないし、その逆もできないわけです。血液型と抗原の組合せによって、感染症への反応の違いが出ることはある程度説明ができるようです。
血液型というと、よく耳にする「骨髄移植」というのがあります。これは、ABO型のような赤血球の血液型と違って、白血球の抗原の型になります。こちらの型は数万通りの型があって親子や兄弟だと25%くらい適合するようですが、適合型を見つけるのはABO型に比べると大変なことになります。
また、ABO型とは関係なく提供することができるので、骨髄移植をすることで血液型が変わることが起こりえます。
そもそも血液型が見つけられたのは1901年のドイツ(オーストリア)においてでした。白人にはA型が多く優秀で、東洋人にはB型が多く劣等であるということで差別に使おうとしたとのことです。
日本でも大日本帝国陸軍において1926年に、血液型から兵隊としての資質を判定したレポートが発表されていますが統計的に意味ある結果をだせなかったようです。
血液型性格分類が広まっているのは、日本とその影響を受けた韓国など一部地域だけだそうで、これには明確な理由があるようです。簡略に説明をするならば、非白人帝国主義国家であった日本は、同じ黄色人種において血液型によって民族の差異を表現しようとした可能性があるようです(非可視的人種優位性の科学的根拠を求めようとした)。
余談
1926(大正15)年に発表された「人血球凝集反応ニ就テ」だったかは不明ですが、大日本帝国陸軍で部隊編成における適格性に対していろいろなことを調べたそうです(アメリカでは知能指数を使った)。
今でこそ兵隊に女性がいますが、かつては男だけでしたから男性器の大きさや肉体的特徴、血液型など考えられる限りの項目をしらべたそうですが、明確な相関が見つからなかったようです。
唯一相関が出たのは「誰とだったらもう一度戦場に行っても好いか?」「誰とだったら二度と戦場に行きたくないか?」の問いに対して、前者は圧倒的に「O型」で、後者は圧倒的に「B型」だったそうです。
セブンイレブンで血液型ごとの小冊子を売ったところ、ほとんど売れなかったのが「B型」だけで、あとは結構売れたようでした。