昭和の風景をほうふつとする交通整理
何のためにこんなことをやってるのかはわかりません。蔵前の交差点の朝の光景です。
この光景のなにが珍しかったのかというと、昭和30年早々のころ、品川区の旗の台に住んでいました。そのころには信号はありましたが、おそらく制御がうまくいってなかったのか、大きな交差点では、渋滞解消のために、このようにお立ち台の上にお巡りさんがのって、交通整理をしていたものです。
記憶は曖昧ですが、その時のお立ち台は白かったように思います。そのころの日常の光景として思い出すのは、「アドバルーン」「チンドン屋」などでしょうか。それと、セスナが飛んできてチラシを空から撒いていました。そのチラシを追っかけていって、知らない街に行ってしまい、帰るのが大変だったことがありました。
「野犬狩り」というのがあって、野犬狩りのオジサンは長い棒の先にワイヤで輪が作られていて野犬を、その輪で捕まえていきます。野犬がそれだけ多かったということなのでしょう。
駅のホームには白いホウロウびきのタン壺が置かれていました。それは、肺結核の人が多かったからだと思います。モク拾いをしている人もいました。「モク」とは吸いさしのタバコのことです。
時代が変わり、風景が変わるのだから、人々のマインドだって変わるはずです。「LGBTQ」を認めないという保守の考えもわからないではありませんが、変わっていく価値観を元に戻すことに固執する必要もないかと思うのです。昭和をホウフツトとする風景をみて、ふと、そんなことを思うのでした。