「拘留」と「拘留」と「留置」
「留置されていた外国人の男性が意識のない状態で見つかりその後死亡 千葉県警」という記事(2023年4月24日)がありました。2022年9月に逮捕されて7ヵ月も警察の留置場に拘禁されていたというのに驚きました。
そこで、なぜ、7ヵ月も拘禁していたのかの記事がないかと調べましたが、どのメディアも同じことをオウムのように繰り返しているだけで日本の記者は「なぜ?」とは思わないようです。警察は男性の国籍や罪状などを明らかにしていないとのこと。日本の記者は「なぜ?」とは思わないようです。
→ 千葉日報の新聞で「東南アジアの男性で23歳」とのこと。
下世話なサイトにもこの件が話題になっていていて「白人ならこういうことはないだろう」「人権侵害じゃないのか」のような論調で書かれているサイトもあります。
ウィシュマさんは法務省で、この件は警察ですので全く別の組織ですが国家権力があることは共通しています。つまり、国家権力に共通するのは、弱いものに対しては平然と「人権侵害」も起こし得るということになります。
公式発表では「処遇に問題はなかった」になることは間違いのないところで、戦前の特高警察から体質が変わらないのも見事なものです。
勾留
逮捕の期限は72時間(3日間)。勾留が決定すると、原則10日間身体を拘束。勾留期間が満了してもまだ捜査が必要な場合、勾留が延長されるとしても、勾留延長期間は最大で10日間。
したがって、逮捕から終局処分まで最大で23日間身体拘束される可能性があるということ。
拘留
「拘留」は刑罰。自由刑。刑罰の中で受刑者の移動の自由を制限するもので懲役、禁錮、拘留の3種類がある。刑務所等の刑事施設に収容され、移動や生活の自由を大幅に制限される点が自由刑の特徴。
拘留期限は最大で29日間。拘留は自由刑の中で最も軽い刑罰。
被告人拘留
起訴されると、被疑者から「被告人」に変わり、起訴後も身体拘束が続く場合がある。これを「被告人勾留」という。被告人勾留の期間は、原則として公訴提起日から2か月。
原則として期間は起訴から2か月だが1か月ごとの更新が可能であり、裁判の終了まで拘束が続けられることが多い。
留置
警察が逮捕した被疑者を警察署内の留置施設に収容すること。逮捕されると勾留請求されるまで最大で72時間留置される。勾留が決まった場合には、引き続き留置場が勾留場所となる。
勾留されなければ2~3日で釈放されるが、勾留されると起訴・不起訴の判断が下るまで最大23日間留置場生活が続く。事件が起訴された後は通常拘置所に身柄が移される。
まとめ
日本に来て、何の容疑で逮捕されたのかは知らないけれど、7ヵ月も留置されていたのは、上記の項目から推定すると「被告人拘留」だったと思われます。
警察署内の留置場(代用監獄)は、取り調べの効率を上げるための便法であって、本来なら法務省による拘置所に移すべきである。拘置所なら医者もいるし、看守が24時間監視している。名古屋出入国在留管理局も法務省なので、拘置所も同様にアジア系の人権を軽視するのかは不明であるけれど、白人同様の扱いをして欲しいものと切に願う次第です。