マレーシアが不発弾運んだ中国船を拿捕

マレーシアが太平洋戦争開戦直後に日本軍により撃沈された英海軍の戦艦プリンス・オブ・ウェールズの残骸から、遺物を不法に回収していた疑いのある中国船を拿捕し、乗組員も拘束した。

マレーシアの立ち位置からすると、中国を怒らせたくはないはずであるけれど、裏でどういう交渉がされているのかは不明。死者を冒とくしているとして、イギリスは怒っている。

なにが目的かは分からないけれど、単にくず鉄が欲しいだけだとしたら、もっとコストのかからないことをやるはずだと思うので、何か魂胆がありそう。

どのみち、マレーシアは傍若無人な中国にお金と軍事力でねじ伏せられるのは必至であるけれど、よく拿捕までしたものです。

とはいえ、中国が国際司法裁判所で違法とされている「第1列島線」の外だったようですが、これを見るとベトナムには、領海は南のほんの一部しかないことになります。

2016年の事になりますが、南シナ海に対する中国の領有権主張や人工島の建設などが国際法に違反するとして、フィリピンが中国を相手に提訴した裁判で、中国の主張に法的根拠がないと判断を示しています。対する中国は、常設仲裁裁判所の判断を認めないと、いつもの通りの主張をしている。

国際的な取り決めに従わなければ、国際的な場面や国際経済から排除すべきで、何らかの強制力を「国際社会」が持たなければ、ロシアが安全保障理事会の幹事になるようなブラックユーモアが成立してしまう。経済的、人的喪失を傍観・放置しているのも国際社会ということになる。

中国は南シナ海の90%に対する領有権を主張していて傍若無人なふるまいの限りを尽くしているのは、中国国民と全く同様の所業であるわけで、いまや、中国共産党という異常な国家指導が功を奏して、あまねくの国民までが、世界全般の価値観から逸脱しだしている。

「話せばわかる」と言って撃たれた宰相がいたけれど、「話して分かる」のであれば悪行・愚行は行わない。「話して分からない」のであれば、何らかの強制力で痛めつけるしかない。これは刑法の理念でもある。

1945年以前の日本やドイツも似たようなものだったと思うと、国家などはいつでも指導者によって変わりうることを如実に示している。