「創発」は英語で「emergence」
「emergency」だと「緊急」になる。「emergence」だと「発生」「発現」「創発」となる。
その昔、「EMO(EMergence Office)」と銘打った文書管理システムを作ったことがある。
「ありていにいうなら、ニューロンのようなもので、個々のニューロンは単なる神経細胞でしかないのに、たくさん集まり、それぞれが意味のある結合をしていくことで感情や知性が生まれ出てくる」
などと言って気取っていた。その時点で考えていたのは、個々の文書に意味的j結合をしていくことで組織知性が「創発」されるような文書管理を目指したかったが、構想が先走っていて、その手前の実直で地道な文書管理を見つめることを疎かにしていた。
「文書」と言ってもいくつか類型があって、保存に関しての規定が厳密な文書の多くは「定期発生」する文書になる。その多くは会計年度で連動しているが、一部には暦年度の物もある。
それとは別に組織である以上、組織活動(つまり職務)をすると様々な文書が発生してくる。また、組織としての特異性、強み、競争優位たらしめていることに関わる文書も少なからずある。
かつて、医療系の文書管理システムとしてゼロックスから「documentum」というのがあったけれど、いまは富士通がやっているような感じ。これも医療系だけでなく、文書作成の生産性を上げるとして展開していた時期もあったけれど、現状は不明。
文書の生産性を上げるということは、文書をパーツ化して組み合わせるような使い方を意味していたような記憶もある。
しかし、「創発」と言うがごとくで、有用な文書を「知財」として管理し蓄積・共有することから、新たなイノベーションにつなげられるような文書管理を目指したいと思っていた。
最近、何かとお騒がせな「生成AI」であるが、これも対象とする情報がある程度の量を超えると、そこからいきなり練度が上がりだすとか。AI将棋を作っている人も、あるレベルから人間が理解できないようなパラメータが生成されづ巣ようなことを言っていた。
まさにAIにおいても「創発」が起きている。
ひところは全文検索などと言っていた。最近の文書管理は「電子化」「OCR」がプラスされているけれど、それがどれだけイノベーションや企業の競争優位に貢献しているかは、ほとんど聞こえてこない。
文書管理にAIを使うようになるのも時間の問題であり、そのことの商業的な目的はミエミエではあるけれど、そこから「創発」につなげるとして、コストに見合う成果が出せるのかは不明。
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