オキシトシンと戦争
オキシトシンは脳の視床下部の神経細胞で産生される神経ペプチドの一種で、出産や授乳、子育てや他個体との関わり合いなどで脳内および血中へ放出されることから、“愛情ホルモン”や“信頼ホルモン”とも呼ばれています。
末梢組織では主に平滑筋の収縮に関与し、分娩時に子宮収縮させる。また乳腺の筋線維を収縮させて乳汁分泌を促すなどの働きを持つ。このため臨床では子宮収縮薬や陣痛促進剤をはじめとして、さまざまな医学的場面で使用されてきている。
「NHKスペシャル5min」では、オキシトシンの二面性によって、戦争での殺し合いにも関与しているらしいと報じていた。
仲間と助け合う本能が「戦争」につながる。そこで注目されているのが「オキシトシン」という脳内物質である。我が子への愛着であったり信頼感を醸成してくれる。
絆の物質と言われるオキシトシンが「攻撃性」にも関わっていることがわかった。
実権として子を産んだばかりの母ネズミのケージに初対面のネズミを入れると、母ネズミは激しく攻撃をする。この作用が人間でどのように働くのかを実験で調べた。
実験は自国民っぽい名前の作業者か、外国人っぽい名前の作業者を助けるとしてオキシトシンを吸引する前と後とで、有意差が現れてきた。この選択は、敵対心から来るのではなく、仲間を守るという意識が強く出ることによる。
逆に、仲間以外には戦闘場面では攻撃的になる。
戦争では、通常相手は外国人になるから、味方ではなければ「敵」になるわけで見方が殺されることで、敵を殺そうと思うのはオキシトシンが働かなくてもあり得そうなこと。
戦国時代とかになれば、敵も味方も同じ民族で装束が違うくらいで敵味方で殺し合いをするのは、戦場心理を除けば「帰属意識」というあたりなのかは不明。戦闘に参加しなければ、ペナルティがあるし、逆に戦闘で手柄を立てれば立身も夢ではないが、だからといって殺し合いするほどの動機になるとは思えない。
あの時代の、そうしたマインド形成に何らかの手法(洗脳など)がなければ、槍持って凄惨な殺し合いに参加するなんて考えられない。戦国時代のドラマでは信長とか家康とか秀吉が出てきて、武将っぽい役者が大声で喚き散らすだけでリアリティが全くない。
彼等のために前線で凄惨な殺し合いをする兵隊のモチベーション(オキシトシンの分泌)を高揚させる策があったはずである。そうじゃなければ、会ったこともなく、ひたすら労役と年貢の搾取しかしない武将のために命をかけて戦う必然が全くない。