ホワイトハウス報道官のスピーチを遮って政権を批判

ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は、初の黒人・自身がLGBTQと公言している人物。MoveOn.orgのシニアアドバイザー兼全米広報担当、さらにNBC NewsとMSNBCの政治アナリストとして勤務していた。また、コロンビア大学で国際関係・公共政策の講師も務めていた。

7月27 日、Z世代を中心とする政治団体「明日を担う有権者(Voters of Tomorrow)」の会合で、環境活動家のエリス・ジョシ(21)がジャンピエールのスピーチを途中で遮り、ジョー・バイデン米政権の気候対策に異議を唱えた。ジョシは、Z世代の政治参加を推進する組織「Gen Z for Change(変化のためのZ世代)」の事務局長

Newsweek

ジャンピエールはジョシの発言を受けて、堂々と声を上げた彼女の勇気を称え、気候変動問題をめぐるバイデンの取り組みを振り返った上で、さらなる取り組みが必要だと述べた。

「今回のイベント以外の場所で、是非あなたとこの問題について話したいと思います。バイデン大統領がこれまでに行ってきたことや今後も継続して行っていきたいことを徹底的に話し合い、あなたの意見を聞きたいです」とジャンピエールは言った。

政府高官のスピーチを途中で遮ったりすれば普通は追い払われるのがオチであるところ、報道官のジャンピエールのさばきは素晴らしく、彼女の勇気を褒めた場面で同席者が歓喜の声を上げていた。

何がいいたいかは、ジャンピエールの素晴らしさもさることながら、日本の報道官はどうなっているのかと思って調べたら、正式には「報道官」はいないらしい。「司会」というのがその役目のようだが、ジャンピエールや中国の報道官の役割とはずいぶん趣も異なり、日本のほうが前時代的なやり方。

総理大臣からして官僚の原稿を読むだけだから、広報官が浴びせられる様々な質問に対して丁々発止と原稿読まずに答えられるようにならなければ、いつまでたっても「大本営発表」と本質は変わらず、民主主義とか報道の自由は縁のない話でしかない。

個々の人材の能力が劣っていることもさることながら仕組みも確実に悪い。「言論の府」とは形ばかりなり。