ジャニーズという巨悪は、ひたすら醜悪
2023年10月2日に記者会見を行い、質問に当てられない記者から怒号が巻き起こり、それに対して、いかにも「常識人」を気取っているジャニーズタレントが、
「落ち着いて行きましょ。じっくり行きましょ」
「小さな子どもたち、ジャニーズJr.の子どもたち、被害者の皆さん、自分たちのことでこんなにモメているのかと見せたくない」
「ルールを守っていく大人たちの姿を見せていきたい」
と、のたまわったとのこと。鬼畜爺が数百人の少年たちに性被害を与え続けてきたことは隠ぺいしておいて「モメている姿を見せたくない」とは、どういう見解なのかに驚愕するばかり。
鬼畜爺が巻き起こした醜悪な性犯罪を前にして、社長とはいえ名ばかりの経営者、しかも、隠ぺいしながら巨万の富を築いてきた一族経営者でもない単なるタレント、それも鬼畜爺の被害者であったかもしれない元少年が「ルールを守っていく大人たちの姿を見せていきたい」のだったら、もっと早期に、鬼畜爺の所業を明るみに出すべきなのが「常識」だと思う。
このことは、ビッグモーターに限らず、大方の組織に共通している。人間としてのまっとうな常識や価値観よりも組織の論理が優先されるのが組織人の使命であり、組織規範が行動原理になっていく。
2023年9月27日、大阪地裁は水俣病訴訟で救済策の対象外の原告全員を水俣病と認定した。発生が認定されたのは1956年だから、67年も経過している。水俣病で思い出すシーンがある。環境省の役人が、水俣病で苦しんでいる被害者の家を訪ねて「認定できない」と告知しているニュースを見た記憶が忘れられない。
告知している役人は、きっと自己の正義に反していたはずであるが、組織の正義を優先させていた。
2005年、JR尼崎線で脱線衝突事故が発生し、乗客106人と運転士が死亡し、493人が重軽傷を負った。この被害補償の交渉に、日航御巣鷹山墜落事故の補償の交渉を参考にしたという記事を読んだことがある。組織からすれば、やめてもらっても困らない人材を交渉に当てたという記事の内容であった。
どれだけ土下座しても遺族の怒りは収まらないが、そうした日航の経験を手本にして交渉の参考にしたというまことしやかな話であった。
ジャニーズの記者会見のNGリストなども、全く相似をなしている。戦争に行くと、平気で残虐なことができるようになるのも同じ構図だ。
隠して組織倫理は「醜悪」になるが。単に明るみに出ないだけのこと。