斬新なアイデアをシャワー中にひらめくのはなぜか

シャワーを使っていないせいか、斬新なアイデアがひらめくことはありませんが、「NATIONAL GEOGRAPHIC」の記事がありましたので参考にしてみます。

脳が受動的な状態において妙案が生まれるカギは「デフォルトモード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる一群の脳領域にあるとのこと。このネットワークは脳内の十数か所以上の領域を結んでおり「マインドワンダリング(wandering)」、つまり「心がさすらっているとき」や受動的な状態において活性化するらしいのです。

DMNは「過去の経験や世界に関する知識を引き出すことによって、アイデア創出の初期段階にも関わっている」とのことで、DMNを構成する灰白質(神経細胞が集まる部分)の容積に相関関係があることもわかってきているようです。

DMNは休息時に最も活発であり、認知的努力の要求度が高い作業よりも低い作業に取り組むときの方が活発であることがわかった
建設的な空想(計画の立案、楽しい考え、希望に満ちた鮮明なイメージ、好奇心など)は、DMNの活動や創造性と関連性があることが明らかにされている。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/081600372/?P=2

マインドワンダリング(さすらう心)にも「意図」する彷徨いと「意図しない」彷徨いがあるそうで、非意図的マインドワンダリングが覚醒している脳の47%を占めているのだそうだ。

作家や学者が創造的なアイデアが浮かんだ時にしていたことは何かを調べたところ、「アハ(ha! moment)」を感じたかを記録してもらった。その結果として、アイデアの20%はアイデアと無関係な考えに耽っているときに生まれていた。

そこで、自分の脳をいかにして最大限、創造的にすることができるかを考えてみると、一つの解が「シャワー」になる。というのは、脳が意志によって管理されている状態ではなく、雑然とした状態にあることから連想のプロセスが活性化することで、DMNの中で思考の元となる「芽」が連携したり衝突したりしてネットワーク間を自在に移動する。

つまり、脳を解放している状態が必要であるが、スマホ時代、暇があればスマホを見ていることで脳を解放している時間が無くなっていることが問題だという意見があります。

天才の脳科学」という本にも書かれていましたが、IQが高いからと言ってノーベル賞が取れるわけではない。「創造」とIQには、さほどの相関はなく、創造性が豊かな人の脳は、無意識化でアイデアを創成しているようなのです。

答えは「デフォルトモード・ネットワーク(DMN)」と「マインドワンダリング(wandering)」。

自分はシャワー派ではないのですが、徒歩が思考にいいと思っています。それは、歩行の速度と思考の速度には、何か関連があると思っています。残念なのは十分な「デフォルトモード・ネットワーク(DMN)」を支える灰白質が不足していることです。「マインドワンダリング(wandering)」は十分あるのですが。