大鏡:其11《帝紀-円融天皇》
第64代 円融天皇(959-991)
村上天皇の第5皇子。生母は藤原隠子。
この天皇が皇太子に立ったときに、大変聞き苦しい事件があったが、話すと長くなるから止めておく。
11歳で即位した。33歳で崩御した。
- 「事件」とは、同じ安子が生んだ皇子の為平親王を抑えて弟の守平親王を東宮に立てたこと。
- その理由は為平親王が左大臣源高明の娘を娶ったことにある。
- 村上天皇は藤原師輔の娘を母にし、源高明の娘を妻にすることで為平親王の安泰を図ったが、村上天皇が薨去すると、狂気の気がある冷泉天皇の皇太子に為平親王を飛び越して守平親王(円融天皇)が立太子する。
- 藤原氏は源高明が冷泉天皇を廃帝にして為平親王を立てようとしているとの噂を流して源高明を太宰府に流した。
- これを「安和の変」という。
- 藤原氏の他氏排斥であるが、師輔・安子は源高明との関係は良好であった。
- が、変が起きたときには師輔も安子も亡くなっており高明には後ろ盾がいなかった。
- かつ、師輔の死後、高明と確執を深めていた藤原氏の策謀であったとされる。