Brilliant Jerks in Engineering
「ブリリアント・ジャーク」などという聞きなれない言葉に接しました。ありていにいうと「輝く嫌な奴」ということだそうです。
「優秀なジャークは価値以上にコストがかかる」ということであり、「スーパースターを雇うより有害な従業員を避けたほうが良い」ということを「Brilliant Jerks in Engineering」の中で提唱しています。
ドリームチームには「Brilliant Jerks」がいないのは、Brilliant Jerksがいることで、かけなければならないコストが高くなってしまう。チームとは、単なる個々の人の集まりではなく、チームであることによる刺激や競争や学びなどによって、創造的で生産的であることに意味があるわけです。
ちなみに、「jerk over」というと、「〈人を〉いじめる,〈人に〉意地悪[いやがらせ]をする」という意味になるようです。
よって、Netflixでは「No Brilliant Jerks」を表明しているそうです。スタンフォード大学のロバート I. サットン教授は「No Asshole Rule」という本を出しています。ちなみに「Asshole 」とは「ケツの穴」のことですが「嫌いな人」という意味で使われています。「嫌いな人がいないルール」というような意味だそうです。
「Jerk」は「あほ」とか「間抜け」のことだそうで、これは日本的には使用禁止に近い言葉になっています。「ケツの穴」は、毎日厄介になっているから禁止用語にはできそうにありません。
「ケツの穴が小さい」などとも言いますね。「度量」と「ケツの穴」にどういう相関があるのかは不明です。
ちなみに、この春から排便時に痛みが出るようになって肛門科に言ったら「切れ痔」と診断され治療を受けています。だいぶ改善してきました。欠の穴が小さいのも困るし、No AssholeになるとQOLが甚だしく低下するので、現実世界でのケツの穴は大切にしなけれななりません。
サットン先生は「Asshole」を雇ってはいけないと言いつつも、同時に「spineless wimps」、つまり「背骨のない弱虫」も雇ってはいけないと指摘しています。「背骨のない弱虫」とは検討ばかりして決断ができない人ということになります。どこかの国では総理大臣までになっています。
組織が崩壊しだす大きな要因は「人事」にあると言えるでしょう。本人が気づかないうちに「Brilliant Jerk」に依存していることはどこにでもありそうです。「Brilliant 」なだけ、余計に「Jerk」になるわけです。
そして、この「Brilliant Jerk」をマネジメントできない組織そのものに崩壊が萌芽していると言えそうです。しかし、それが「新興企業」であるなら「有能」を自負する人材は離脱していく可能性が高いですが、役所や旧来企業では、思うほどに人材は流動していきません。
それは「キャリア安全性」という保身が働くからで、よって組織は「凡庸」になっていくことが多いことになってしまいます。
組織のポイントとして、「Brilliant Jerk」と「spineless wimps」を長く雇用してはいけないだけでなく、これらの人材を要職においてはいけないことになります。
同時に、年功だけで階段を上げるような人材活用をしていると、人材によっては大いに伸びしろを伸ばす人もいますが、いずれは伸びしろのないポストに就くこととなります。
資生堂や京セラでは業績の悪化にかこつけて「Preservation Jerk(組織にしがみつくだけで伸びしろのない奴)」の排除に乗り出しました。
組織運営、特に人事はヒトの人生に大きく関与するゆえに難しいということに尽きそうです。
その点、公務員組織は組織としてのポジションに「ヒト」がいさえすれば動くようにできている(効率も能率もイノベーションも求められていない)ので、「Preservation Jerk」だけでも形を成すようにできている。
「嫌な奴」「無能」「無気力」「怠惰」を自負するなら、大いに選択すべき職業と言えそうです。