女性の脳と月経の関係
ナショナルジオグラフィックの記事によると、
月経周期を生じさせている女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の増減にあわせて、感情や記憶、行動、情報伝達の効率などをつかさどる脳の領域も劇的に変化している
ナショナルジオグラフィック
2023年10月5日にネイチャーに発表された研究。女性はおよそ450回の月経がある。そもそもは30年ほど前にラットの脳の海馬の部位でエストロゲンの影響を受けて、樹状突起の構造を調節していることが発見されている。
何か新しいことを学ぶと海馬が大きくなるという。逆に海馬が委縮すると認知症やアルツハイマーに罹患している可能性が指摘されている。
2020年に、女性の脳を30回スキャンした結果、女性ホルモンが海馬とその周囲の領域の形を変え、脳の結合を再編成していることを発見している。
エストロゲン濃度が上昇し、プロゲステロン濃度が低下すると、海馬の周囲にある灰白質の体積が増え、プロゲステロン濃度が上昇すると、記憶に関わる別の層が拡大した。また、灰白質の厚みだけでなく、「白質」の構造的な特徴も、ホルモンの合図を受けて変動していることが明らかになった。
だからといって、そのことが記憶や認知機能に影響を及ぼしているのか、脳の機能としての意味が判明しているわけではない。しかし、周期に合わせて海馬周辺の物理的大きさが変化することが、全く影響を及ぼさないはずはない。
アルツハイマー病患者の70%、うつ病患者の65%が女性であることなどとの関連も、いずれは分かってくるだろう。