民主主義は暗闇の中で死ぬ

動画は、安芸高田市の石丸市長の記者会見の風景です。

読売、毎日、中国新聞、RCC(中国放送)、広島テレビ、TSS(テレビ新広島)、広島ホームテレビ各社に、議員が市長に暴言を吐いた不適切な言動について、なぜメディアは報道しないのかという疑問から始まります。

中国新聞、RCCは市長から偏向報道をたびたび指摘されていて、バトルを繰り広げています。その影響で、この記者会見には欠席しています。

市長がメディアとバトルするというのも珍しい風景です。全国的メディアであっても政権与党に忖度した偏向報道は日常のものですが、そこを指摘する野党はあまり見かけません。

で、なぜ報道しないのかを参加各社に問いかけていますが、「取材云々、、、」と歯切れが悪い返ししか得られません。そこで市長は「美濃加茂市の副議長による不適切行動(セクハラもどき)は全国的に取り上げたのに、議員による市長へのハラスメントは、なぜ、取り上げないのか」と問題提起をします。

市長による報道各社の記者への質問には、記者はタジタジというのが率直な感想です。はっきり言って「記者」と言いながら「ジャーナリスト」としての矜持などなく、単なるサラリーマンとしての仕事でしかないことが歴然としています。報道して視聴者の食いつきがいいネタがあれば、それに飛びつくだけの生業でしかないということです。

貼り付けた動画の真骨頂は20分あたりからです。メディアの不体たらくの糾弾は飛ばして、20分過ぎからこの動画の結論を見ることができます。

「議員の不適切行動をメディアが報じなければ、どうやって糺すことができるのか?」「誰が糺すのか?」「闇に葬られるだけになる」「議員は多数派についてさえいれば身が守られることになる」「だからメディアが必要なんじゃないのか」

多数派についていて、多数派の数の「1」として意見も主張もしなければキックバックや闇金をもらえて身が守られる。当選回数を積み上げれば、いずれは副大臣、大臣が約束される。

こういう政治を許しているのは国民であるけれど、その背景にはメディアが「糺す」という役割を果たしていないからでもある。戦前のメディアは軍部の言いなりになっていた。令和のメディアは多数政党の言いなりか忖度でおもねている。

民主主義は暗闇の中で死ぬ」「社会を生かすも殺すもメディア次第」「気合を入れろ!

日本の民主主義はメディアの機能不全により、「闇金」によって力を得た政治権力によって「生かさず殺さず」にされている。

中国新聞とRCCには5月2日の時点で、市長が問い合わせをしており、返答を5月8日までにすると約束をしていたが、それをすっぽかした。10日のこの記者会見であっても返答を持参すれば参加できたのであるが、市長は返答を持ってこなければ会見に参加能わずを宣告していたので、社として争う(あるいは戦う前に敗北している)ことを明確にしている。

このあと、市長は次の市長選には立たないことを宣言します。